テニス界の元女王、コンチータ・マルティネスは今どうしてる?

スペイン女子テニス界の記念碑
スペイン人選手初のウィンブルドン選手権優勝
その他の業績
スペイン代表として
2006年に現役引退
テニスとの関わり
TV解説者として
アンダルシア・テニス・エクスペリエンスのディレクターとして
コーチとして
フェデレーション・カップとデビスカップ
「とても恩知らず」
「見捨てられたよう」
ガルビネ・ムグルサのコーチに就任
2021年のベストコーチ
国際テニスの殿堂入り
一時休息
「素晴らしいひと時」
ビリー・ジーン・キング・カップのディレクター
SNSを積極的に活用
今後の活躍に期待
スペイン女子テニス界の記念碑

スペイン女子テニスの歴史に名前を刻んだコンチータ・マルティネス。グランドスラム優勝は1994年のウィンブルドン選手権のみだったが、90年代の全盛期に素晴らしいパフォーマンスを見せ、国際テニス殿堂入りも果たしている。

 

スペイン人選手初のウィンブルドン選手権優勝

マルティネス選手はテニス界でもっとも由緒ある大会、ウィンブルドン選手権で優勝した初のスペイン人選手だ。マルティネス以降、スペイン勢がふたたびウィンブルドンを制覇したのは2017年、ガルビネ・ムグルサが優勝を手にしたときだった。

その他の業績

ウィンブルドン選手権ではマルチナ・ナブラチロワを3セットの末下し、劇的な優勝を果たしたマルティネスだが、彼女の業績はそれだけではない。1998年の全豪オープンおよび2000年の全仏オープンでは決勝進出したほか、個人タイトル最多記録(33回)も保持しているのだ。

スペイン代表として

スペイン代表としては、1992年のバルセロナ五輪と2004年のアテネ五輪のダブルスでそれぞれ銀メダルを獲得。1996年のアトランタ五輪では銅メダルを手にしている。さらに、1987年の地中海競技大会で優勝したほか、スペインチームでも5回の準優勝を果たしている。

2006年に現役引退

2006年4月15日に現役引退を発表したコンチータ・マルティネス。では、その後はどのような活動を行っているのだろう?

 

テニスとの関わり

現役を引退したとはいえ、マルティネスはテニスの世界を離れたわけではなかった。コーチやトーナメントディレクター、解説者としてスペインのテニス界を支え続けているのだ。

TV解説者として

解説者時代のマルティネスはスペイン紙『エル・ムンド』に対し、「TVを通して試合を眺めると冷静に分析できますが、私はコートからナレーションする方が好きです。風や熱気など、その場にいないと感じられないものがあるし、ボールのスピードも違って見えますから。TVも悪くはありませんが、コートの方がよいのです」と語っている。

 

アンダルシア・テニス・エクスペリエンスのディレクターとして

現役を引退したマルティネスはアンダルシア・テニス・エクスペリエンスのディレクターに就任。この大会は、2009年から2011年までスペイン南部のマルベーリャで開催されていたWTFトーナメントで、歴代優勝者はエレナ・ヤンコビッチ、フラビア・ペンネッタ、ビクトリア・アザレンカだ。

コーチとして

しかし、マルティネスが現役時代と同じくらい活躍したのはコーチとしてだ。2013年1月26日には、フェデレーション・カップ(現ビリー・ジーン・キング・カップ)でスペイン代表チームのキャプテンに就任している。

フェデレーション・カップとデビスカップ

2年後の2015年7月5日には、フェデレーション・カップに加えてデビスカップ(男子)のスペイン代表をも率いることに。ところが、スペイン王立テニス連盟は2017年9月にマルティネスを解雇してしまう。

「とても恩知らず」

この事件を受けてマルティネスは声明を発表、「困難なときには頼るのに、嵐が過ぎ去ったとたん突き放すのは恩知らずというものです」と怒りをあらわにした。

「見捨てられたよう」

マルティネスはさらに、「ここ数ヵ月は見捨てられたように感じていました。とくに、私が選手たちとともにグランドスラムに行くのをスペイン王立テニス連盟の新幹部が拒否したときには、いずれ解雇されるかもしれないと思いました」とコメント。

 

ガルビネ・ムグルサのコーチに就任

とはいえ、悪いことばかりではなかった。カロリナ・プリスコバのコーチを務めた後、2020年シーズンにはスペイン女子テニス界の至宝ガルビネ・ムグルサのコーチに就任。コーチとして素晴らしい活躍の場を手に入れたのだ。

2021年のベストコーチ

そして1年後の2021年、マルティネスは女子テニス協会(WTA)によってシーズン最優秀コーチに選出された。教え子のムグルサがマスターズをはじめ3つのタイトルを獲得し、世界ランキング3位に達したことが評価されたのだ。

 

国際テニスの殿堂入り

この年にはさらに、マルティネスの国際テニス殿堂入りも発表された。現役時代の活躍やその後の貢献が認められ、テニス界最高の栄誉を受けることになったのだ。

 

 

一時休息

2023年4月、マルティネスはしばらく休息をとって英気を養うため、ムグルサ選手の指導を離れることで合意。

 

「素晴らしいひと時」

このとき、マルティネスはSNS上で「ガルビネ・ムグルサと私は、雇用関係を終えることで合意しました。コート内外でたくさんの感動や驚きをくれる素晴らしいひと時でした。あなたのコーチを務めることができて本当にうれしく思います。今後もすばらしい活躍を願っております」というコメントを発表した。

 

ビリー・ジーン・キング・カップのディレクター

2023年9月、コンチータ・マルティネスは新たな挑戦に乗り出す。11月7日から12日までセビーリャで開催されるビリー・ジーン・キング・カップの本戦でディレクターを務めることになったのだ。この人事は、グランドスラム優勝歴12回を誇るビリー・ジーン・キングと国際テニス連盟(ITF)のデービッド・ハガティ会長が直々に発表した。

SNSを積極的に活用

マルティネスはInstagram(@conchita__martinez)をはじめとするSNS上でも公私にわたって積極的な発信を行っており、1万4,000人あまりのフォロワーを抱えている。

写真:Instagram - @conchita__martinez

今後の活躍に期待

スペイン女子テニス界の生きる伝説、コンチータ・マルティネス。選手としてもコーチとしても一流の成果を挙げ、テニスの歴史に名を刻んできた。とはいえ、まだ50代になったばかり。今後のさらなる活躍が期待されている。

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