日本GPはフェルスタッペンが制覇。一方、マッサのF1提訴騒動は……
2023年日本グランプリに向けてF1レーサーたちが鈴鹿サーキットに集結。2008年の世界選手権を巡ってF1を提訴する姿勢を見せているフェリペ・マッサなど、話題には事欠かない。
記録的な連勝を続けていたマックス・フェルスタッペンだがシンガポールグランプリで失速、所属チームのレッドブル・レーシングの快進撃もストップしてしまった。同GPでフェルスタッペンは5位でフィニッシュしたが、チームメイトのセルジオ・ペレスは8位で辛くも入賞という結果だった。
シンガポールグランプリがこれほどスピード感のあるレースになるとは想定外だったとはいえ、レッドブルの低調なパフォーマンスは懸念材料だ。フェルスタッペンとペレスはマシンに関する不満をながながと漏らし、技術部門の新体制が原因であることを窺わせている。
しかし、9月24日に行われた日本グランプリでは、フェルスタッペンが大差で1位フィニッシュ、復活を印象づけることとなった。
一方、マクラーレンはシンガポールGPでランド・ノリスとオスカー・ピアストリがそれぞれ2位と7位でフィニッシュするなど、調子を上げていた。そして迎えた日本グランプリ、鈴鹿サーキットでは強みを発揮することができないという見方を覆し、ピアストリが3位入賞を果たした。
シンガポールGPでは圧倒的なパフォーマンスを披露したスクーデリア・フェラーリのカルロス・サインツ。最初から最後までレースをリードし、猛追するメルセデスを寄せ付けない走りを見せつつも、ランド・ノリスの2位に貢献したとも言える。
シンガポールGPをフェラーリが制覇したことで、コンストラクターズ・チャンピオンにおける2位争いが激化。それまでメルセデスの2位は確実視されていたが、サインツの優勝によりにわかに風向きが変わったのだ。
メルセデスにとって日本GPはシンガポールGP以上の結果を出すチャンスだと期待されていた。しかし、終わってみればメルセデスのルイス・ハミルトンは5位入賞。とはいえ、チームはコンストラクター選手権2位を維持することができた。
一方、ドライバーズ・チャンピオンシップではフェルスタッペンとペレスがトップ2の座を確実なものとする反面、3位争いががぜん盛り上がりを見せはじめた。ベテランのフェルナンド・アロンソが本命と目されていたが、ハミルトンとサインツが激しく追い上げる展開となっているのだ。
今シーズンは上位チーム以外でもサプライズが。スクーデリア・アルファタウリの若手、リアム・ローソンが大活躍を見せたのだ。負傷したダニエル・リカルドに代わり2度レースに出場したローソンだったが、13位と9位でフィニッシュし将来性をアピールすることとなった。
フェルナンド・アロンソがペースをつかめず、シンガポールGPでは苦杯を喫したアストンマーティン。一時は25秒のピットストップを強いられるほどだった。背景には、ランス・ストロールが予選でクラッシュに巻き込まれて負傷、欠場を余儀なくされてしまったという事情がある。このような中迎えた日本グランプリではアロンソが8位でフィニッシュしたが、レースに復帰したばかりのストロールはマシンのダメージでリタイア。カムバックを好成績で飾ることはできなかった。
一方、メルセデスにとって日本GPは少しばかり波乱含みだ。というのも、フェリペ・マッサが2008年世界選手権における「クラッシュゲート事件」を巡ってF1を提訴しているためだ。マッサは仕組まれたクラッシュに巻き込まれ、タイトルを逃してしまったと主張している。
メルセデスF1チームで代表兼CEOを務めるトト・ヴォルフはこれを受けてコメントを発表。「全員が状況をオープンにしたらF1は混乱に陥ってしまうでしょう」と提訴に反発する姿勢を見せた。
一方のマッサは、ネルソン・ピケ・Jr.が故意にクラッシュを引き起したことで自分が首位を逃す結果になってしまったとしている。
マッサはさらに、この八百長について主催者側が知っていたにもかかわらず。シーズン終了まで意図的に対応を怠ったと主張。
声明の中で「私が求めているのは正義、幼いころからの夢、ブラジル全体とフェラーリファンに捧げられるはずだったタイトルです」と述べている。