サッカー界で最もエレガントな監督たち
時代とともにサッカーは変化を遂げ、競技技術はもちろん見応えのあるショーとしても進化している。ピッチに立つ監督についても従来のジャージ姿は影をひそめ、自分らしいスタイルが追及されるようになった。今回はエレガンスを感じさせる監督ファッションをチェックしてみよう。
ひと昔前の監督たちはチームユニフォームでベンチに陣取っていた。スペイン代表の名監督として名を馳せたルイス・アラゴネスもその一人、最後までこのスタイルをつらぬいた。だが、それも過去になりつつある。
ふだん通りのスポーツウェアでも、ディテールに変化を加えてスマートに仕上げる方法もある。たとえば、ドイツ出身のユルゲン・クロップ監督のスタイルだ。
マンチェスター・シティを率いるグアルディオラ監督も公式戦におけるワードローブに気を配る指導者の一人だ。黒やグレーといったダークトーンにスマートなコートをはおることが多い。
アルゼンチン出身のポチェッティーノ監督はクラシカルで落ち着きのあるスタイルが好みのよう。気温の低い日にはダークカラーのタイトなスーツにトレンチコート、温かい日にはタイトなシャツや、シャツにVネックセーターということもある。
2016年からイングランド代表の監督を務めるガレス・サウスゲートは、気品ある英国紳士スタイルのお手本だ。かっちりとしたスリーピースをさらりと着こなしたり、ブレザーに英国らしいポロシャツを組み合わせてカジュアルダウンしたりと自由自在。
クロアチア人で西ベルリン生まれ、現在ドイツのVfLヴォルフスブルクを率いるニコ・コヴァチ監督。クラシカルなスーツでもカジュアルスタイルでも優雅さを失わない。
スペイン出身でドイツのレバークーゼンで監督を務めるシャビ・アロンソ。選手時代からピッチの中でも外でもスタイリッシュであり、監督になった今もセンスの良さが光っている。
アルゼンチン出身で長年アトレティコ・マドリードを率いている闘将シメオネ。落ち着いたダークスーツにネクタイを着用しているが、ときにはVネックセーターにシャツ、夏にはタイトなシャツ姿も披露している。
フランス出身のエルヴェ・ルナールは2019年ワールドカップでモロッコ代表、その後サウジアラビア代表の監督を務めた。選手以上にイケメンといわれるととのった顔立ち、まっ白なシャツにシンプルボトムというスタイルでメディアを賑わせた。
レアル・マドリードのスター選手として、さらに同チームの監督としても黄金時代を築いたジネディーヌ・ジダン。どんなスタイルでもごく自然なエレガンスを感じさせる。
アルゼンチン出身のサンティアゴ・ソラーリもレアル・マドリードで選手と監督の両方を経験している。もちろんピッチではエレガンスを忘れない。
ドイツ出身のユリアン・ナーゲルスマンはバイエルン・ミュンヘンを2シーズンにわたり率いたが、思うように結果を出せず解任となった。気温の低いドイツらしくタートルネックにロングコート姿が多い。
2シーズンにわたりトッテナム・ホットスパーを率いたアントニオ・コンテ監督。イタリア出身の彼もまた、黒を中心にしたエレガントなスタイルに定評がある。
ドイツ代表のトップチームを長年にわたり率いたヨアヒム・レーヴ、すでに60代だがフィット感のあるシャツやVネックセーター姿でファンを魅了している。
ポルトガル出身のヌーノ・エスピーリト・サントはプレミアリーグで2チームを率いた後、2022年からはサウジリーグで采配を振るっている。肩ひじ張らないスタイルにたっぷりたくわえたヒゲがカリスマ性を感じさせる。
ウクライナ出身で複数のヨーロッパクラブで活躍した伝説的ストライカー、アンドリー・シェフチェンコ。ウクライナ代表およびイタリアのジェノア監督も務めたが、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて首都キーウに戻った。
ポルトガル出身でチェルシーやレアル・マドリードなど名門クラブの監督を歴任しているモウリーニョ監督。ダークトーンの落ち着いたスタイルだが、物議を醸す行動で知られる。
ポルトガル出身、サッカー指導者でレーシングドライバーでもあるアンドレ・ビラス・ボアスは2018年のダカールラリーにも参加している。祖先がイギリス移民のためかクラシックな着こなしが得意で、ネクタイを外したりトレンチコートをはおったり変化を楽しんでいる。
カメルーン出身のリゴベール・ソング。欧州各国のクラブで活躍し、現在はカメルーン代表の指導者となっている。選手時代はブロンドのドレッドヘアで知られ、監督の今もクラシックとモダンを組み合わせた個性的なスタイルでピッチに立つ。
米国ニュージャージー出身で米国代表監督を務めるグレッグ・バーホルターは基本的にスポーツウェだが、どことなく洗練を感じさせる。