パリで東京五輪のリベンジを果たせるか? スケートボードの白井空良選手
最後の最後まで誰が選ばれるか分からない、大激戦となったスケートボード日本代表争奪戦。ようやく決着がついたところで、東京五輪に続き2大会連続でパリ五輪への切符を手にした白井空良(しらい そら)選手をクローズアップしよう。
東京五輪で初採用されたスケートボートは、日本の新たな「お家芸」になりつつある。男女ともに世界トップレベルの選手がひしめきあい、7月26日に開催されるパリ五輪でもメダルの量産が期待されている。
画像:Instagram, @sora_shirai
白井選手が参戦する種目「ストリート」は、階段や縁石などを模した構造物で街中を再現したコースで行われる。トリックと呼ばれるジャンプや回転などの技の難易度や独創性、全体の流れなどが採点される。
『朝日新聞』によれば、白井選手は5歳の時にスケートボードに出会った。家から自転車で15分の地元の公園に、東京五輪の代表となる2020年の初めまで毎日のように通っていた。根を詰めて練習するという雰囲気ではなく、友達と遊びながらスケートボートを走らせていたという。
2019年、世界大会の「Damn Am Japan」で初優勝を飾り、その後も国際大会で入賞や優勝を重ねた。一躍世界のトップ選手の仲間入りを果たすも、大怪我に見舞われてしまう。
画像:Instagram, @sora_shirai
2020年に左ひざ前十字じん帯を断裂する大怪我を負った白井選手。『報知新聞』によれば、「けがをした瞬間、自分の中で(五輪)を諦めた」という。手術を受け、4ヵ月以上リハビリに励んだ。
ところがコロナ渦により東京五輪が延期。自粛期間もリハビリ期間と重なり「あまり喜んではいけないけれど、ラッキー」な形で東京五輪の切符を手にすることができたと『日刊スポーツ』紙のインタビューで語っている。
世界ランキング3位で挑んだ東京五輪。メダルを期待されていたが、結果は9位に終わってしまう。
『Number』誌のインタビューで、負けたのに沢山の人達から称賛やねぎらいが届いたことで悔しさを感じたと語った:「次にその人達が俺を見るのはいつなんだろうと考えると、世界選手権じゃなくて、スケートボードのプロリーグでもなくて、パリ。もうそこしかない。みんながオリンピックに向けて4年間かけてやる理由もそこでわかりました」
画像:Instagram, @sora_shirai
「NHKニュース」によれば、白井選手は自身の名が付いたオリジナルの大技を持つという。空中で板を180度回転させた後、前方の車軸部分で滑り降りる「ソラグラインド」とバックで進みながら空中で360度回転し、レールに車軸部分を滑らせる「シライケーン」だ。この大技が決まれば、おのずと東京五輪の雪辱を果たすことになるだろう。