水泳五輪金メダリスト、ステファニー・ライス(オーストラリア)は今どうしている?

北京オリンピックの金メダリスト
波乱万丈の半生
水泳のおかげで自信
体育教師の一言で闘志に火がつく
コモンウェルスゲームズを制覇
自己ベストを次々に更新
オリンピック選考会で新記録
ケイティ・ホフとの記録更新合戦
自身初のオリンピック金メダル
4分30秒の壁を突破
2つ目の金メダル
母国オーストラリアのヒロインに
ブランドの顔として
スランプの兆し
スキャンダルとなったツイート
ケガに悩まされた時期
2014年に引退発表
「これからが楽しみ」
タブロイド紙の常連
指導者として
人気TV番組に登場
北京オリンピックの金メダリスト

2008年北京オリンピックの競泳3種目で金メダルに輝き、一躍オーストラリアを代表する人気アスリートとなったステファニー・ライス。さらに、私生活の面でも話題となり、各地でパパラッチに追い回されるなど、正真正銘のセレブになったと言える。

波乱万丈の半生

とはいえ、頂点を目指す闘いは生易しいものではない。ライスもトップアスリートの例にもれず、スキャンダルやケガ、スランプに見舞われたことがあるのだ。そこで、今回はステファニー・ライスのキャリアと現在を追いかけることにしよう。

Sports Unlimited News をフォローして世界のスポーツをいつも手元に

 

水泳のおかげで自信

1988年6月にオーストラリアのブリスベンで誕生したステファニー・ライス。『デイリー・メール』紙によれば、幼い頃のライスは同年代の子供たちと馴染むことができなかったそうだ。しかし、水泳を始めたことで自信をつけ、ますます競技にのめり込んでいったという。

体育教師の一言で闘志に火がつく

高校時代には体育教師からプロアスリートの素質がないと言われてしまったが、実力をつけて見返すべく、ますますトレーニングに励んだとのこと。

コモンウェルスゲームズを制覇

転機が訪れたのは2006年。メルボルンで行われたコモンウェルスゲームズに出場した17歳のライスは、200メートル個人メドレーと400メートル個人メドレーでいきなり金メダルを獲得したのだ。

 

自己ベストを次々に更新

勢いに乗ったライスは2007年世界水泳選手権やオリンピック選考会といった大会に出場し、そのたびに自己ベストを更新していった。

オリンピック選考会で新記録

さらに、2008年には競泳オーストラリア代表を決めるオリンピック選考会で大活躍を見せる。400メートル個人メドレーで4分31秒46というタイムをたたき出し、それまでケイティ・ホフ(米国)が保持していた世界記録(4分32秒89)を更新してしまったのだ。

ケイティ・ホフとの記録更新合戦

これに対し、ケイティ・ホフは2008年6月に行われた米国のオリンピック代表選考会で再び世界記録を樹立。一方、ライスも200メートル個人メドレーでそれまでの世界記録をおよそ1秒縮め、2分8秒92という新記録を達成した。

自身初のオリンピック金メダル

最高のコンディションで2008年北京オリンピックに臨んだステファニー・ライスは、激戦となった400メートル個人メドレーで4分29秒45という驚異的なタイムをたたき出し、自身初となるオリンピック金メダルを獲得。

4分30秒の壁を突破

これによってライスはホフの手から世界記録保持者の座を取り戻す。しかも、それまでの記録を1.67秒縮め、4分30秒の壁を破った最初の女子選手としてだった。

 

 

2つ目の金メダル

しかし、北京五輪におけるステファニー・ライスの活躍はこれで終わりではなかった。400メートル個人メドレーに続き、200メートル個人メドレーでも2分8秒45という新記録を樹立して優勝。ラスト50メートルはジンバブエ代表のカースティ・コベントリーと激しい競り合いとなったが、これを制しての金メダルだった。

 

母国オーストラリアのヒロインに

さらに、4×200メートルリレーにもオーストラリア代表の一員として出場し、3つ目の金メダルを獲得。一躍、母国オーストラリアのヒロインとなり、翌年の2009年にはオーストラリア勲章を授与されている。

ブランドの顔として

五輪での快挙によって、ライスのもとには高級車メーカーのジャガーや下着ブランドのダヴェンポートといった大手ブランドから、スポンサー契約のオファーが次々に舞い込む。

スランプの兆し

しかし、この頃からライスの成績にスランプの兆しが見えるようになった。とはいえ、2009年世界選手権では200メートル個人メドレーで銀メダル、400メートル個人メドレーで銅メダルを獲得した。

スキャンダルとなったツイート

また、2010年にはラグビーオーストラリア代表「ワラビーズ」が南アフリカ代表「スプリングボクス」を下した際、同性愛差別的なツイートを投稿してスキャンダルを巻き起こしてしまう。その後の記者会見で件のツイートについて「不注意かつ思慮に欠けていた」と述べ謝罪したものの、主なスポンサー契約を失う結果になってしまった。

ケガに悩まされた時期

しかも、ステファニー・ライスはこの頃、肩のケガに悩まされれており、わずか数年間のうちに3回も手術を受ける羽目に。これは2012年ロンドンオリンピックを目指すライスの努力に水を差すものだった。実際、ロンドン五輪では目立った活躍を見せることができず、200メートル個人メドレーで4位、400メートル個人メドレーで6位タイに終わる。

2014年に引退発表

結局、ライスはこのスランプを抜け出すことができなかった。そして、ロンドン五輪の2年後の2014年には、ウェブサイト上に動画を投稿して引退を発表することとなった。いわく:「オリンピック直後は競泳のキャリアを続けるかどうかについて、性急な決断を下したくありませんでした。というのも、当時はそれまでやってきたことに対して、気持ちの整理がつかなかったからです」

 

「これからが楽しみ」

また、自身の引退について当時のライスは「自分の一部を失うような気もしますが、これからが楽しみです」とコメント。

タブロイド紙の常連

引退したとはいえ、金メダリストの注目度はピカイチ。この頃、ライスはラグビー選手のクウェイド・クーパーや水泳界の大スター、マイケル・フェルプス、さらには俳優のライアン・ゴズリング、バスケットボール選手のコービー・ブライアントなどと浮名を流し、タブロイド紙を賑わすこととなった。とはいえ、ライス本人がこれらすべてを事実だと認めたわけではない。さらに、2013年にはTV番組『The Celebrity Apprentice』にも出演している。

指導者として

一方、水泳の面では現役アスリートから指導者へと転身を遂げ、米国でコーチとして仕事をするように。また、2019年にはインドで自前の水泳アカデミーを設立し、2024年パリオリンピックではインドからメダリストを出すことを目標に掲げている。

 

人気TV番組に登場

現在、35歳になったステファニー・ライス。今年10月にはオーストラリアの人気TV番組『SAS Australia: Who Dares Wins』に出演し、その他のアスリートや著名人たちとともに、元軍人たちが作り上げた過酷なプログラムに挑むことになっているそうだ。

Sports Unlimited News をフォローして世界のスポーツをいつも手元に

 

ほかのおすすめ