米女子サッカーのアビー・ダールケンパー、水着モデルで注目を浴びたものの五輪出場ならず
パリ五輪で金メダルに輝いた女子サッカーの米国代表チーム。ところが、『スポーツ・イラストレイテッド』誌の水着モデルとして注目を集めたアビー・ダールケンパーは、チームメイトたちの活躍を指をくわえて眺めているしかなかったようだ。
ダールケンパーは長年、米国代表チームの要としてプレーしてきただけに、パリ五輪での選考漏れは衝撃的だった。また、女子サッカー情報サイト「All for XI」によれば、ダールケンパーだけでなく、ベテラン選手のアレックス・モーガンも今回のオリンピック出場を逃してしまったそうだ。
2020年東京オリンピックでは、ダールケンパーも米国代表チームのメンバーとして銅メダルを手にしている。しかし、2大会連続メダル獲得という夢は不本意な形で絶たれることになってしまった。
ダールケンパーは2019年に開催されたFIFA女子ワールドカップで、米国代表を優勝に導いた功労者だった。また、大会前には、『スポーツ・イラストレイテッド』誌の水着モデルとしてグラビアを飾り、一躍注目の的となった。その後はたびたびケガに見舞われてきたが、それでも優れたディフェンダーであることには変わりない。
ちなみに、『スポーツ・イラストレイテッド』誌の撮影はカリブ海に浮かぶ島国、セントルシアでおこなわれ、ダールケンパーは数人のチームメイトとともにカメラの前でポーズをとったそうだ。
しかし、ダールケンパーがモデルを務めたのはこれが初めてだった。しかし、本人いわく、サッカーの試合とモデルの仕事には類似点があるらしい:「フィールド上では、サッカー選手として試合に順応しなくてはいけません。撮影にも似ている部分があるので、私は同じようアプローチをしました。1日かけて撮影をするうちに、シースルーの衣装を堂々と着こなせるようになったんです」
さらに、ダールケンパーは同誌上で、「『スポーツ・イラストレイテッド』誌は有名誌なので、撮影に参加できるなんて、にわかに信じられませんでした。フィールドの外でユニフォームを脱いだ姿をみなさんにお見せできて、とてもワクワクしました」とコメント。
しかし、その後は背中の故障が長引き、なかなかフィールド上に復活することができなかった。実際、2022-23シーズンは米国のナショナル・ウィメンズ・サッカーリーグ(NWSL)で、なんとか調子を取り戻そうと苦戦していた。
これについて、ダールケンパーは女子サッカー情報サイト「Equalizer Soccer」上で次のように語っている:「長いことフィールドを離れているのは辛かったけれど、そのおかげで精神的に成長し、フィールド外でも幸せを見つけられるようになったと思います。サッカー選手であることは別として、自分は一体どんな人間なのか、何が好きなのかがわかり、仕事と私生活のバランスもとれるようになって、かえって感謝しているくらいです」
2022年にNWSLに参入したクラブ、サンディエゴ・ウェーブは記念すべき最初の顔ぶれにダールケンパーをスカウト。同クラブのジル・エリス会長いわく:「アビーは世界最高のセンターバックの1人であり、クラブでも代表でも確かな実績を持っています」
サンディエゴ・ウェーブでは期待に応えて活躍を見せたダールケンパーだったが、2024年6月に行われたNJ/NYゴッサムFCとの試合では思わぬトラブルに見舞われてしまった。ボールに向かって突進した際に、相手チームのマンディ・フリーマンに足を踏まれ、スパイクが外れてしまったらしいのだ。
その後、ダールケンパーはSNS上で不満を表明:「ちょっと言わせてもらうけれど、これがレッドカードにならない世界なんてある? 足首を骨折しなかったのが不幸中の幸いよ」すでにケガに苦しんでいただけに、危ういラフプレーに直面して、思わず怒りを口にせずにはいられなかったのだろう。
パリオリンピックについて、「Yahoo Sports」はダールケンパーがメンバー入りする可能性は高いと見ていた。しかし、最終的に選ばれたのはナオミ・ギルマとティエルナ・デヴィッドソンだった。