波乗り犬のコンテスト:ドッグサーフィン世界大会がカリフォルニア州で開催
とどまるところを知らないサーフィン人気。近年では、このスポーツに挑戦する犬まで現れているというから驚きだ。しかし、ペットだからと侮ることなかれ、なんとドッグサーフィンの世界大会まで開催され、盛り上がりを見せているのだ。
「ワールド・ドッグ・サーフィン・チャンピオンシップ」が開催されるのは世界有数のサーフィンスポットを抱えるカリフォルニア州。それもそのはず、飼い主と犬がともにサーフィンを楽しむ大会というアイデアはサンフランシスコで誕生したのだ。
大会は毎年8月5日、パシフィカ(サンフランシスコの近くにある海岸沿いの街)のビーチで開催される。
この大会で行われる競技はサーフィンだけでない。パートナーレースやファッションといった複数のアクティビティの結果を総合し、優勝者を決めるのだ。
大会優勝者は「世界一ヤバイ」ドッグサーファーという称号を手にするほか、チャリティー活動への参加も促されるという。
また、イベント主催者は出場者やチームに対するスポンサーを募り、収益の一部を動物愛護団体や環境保護団体、サーフィン関連のNPOなどに寄付している。
では、大会の流れを見てゆこう。競技開始にあたってまず行われるのは健康診断(午前10時~午後2時)だ。爪や歯の状態、体重の検査からマッサージや準備運動にいたるまで念入りなチェックが行われる。
大会は犬の体重に応じて大・中・小3つのランクに分けられており、小型犬の競技は午前10時にスタートする。大型犬はしばらく待機だ。また、犬同士や飼い主とペアで出場する部門もあるとのこと。
また、「とってこい」をはじめとする付随的な競技も行われ、得点が加味されることになる。さらに、大会終盤には犬のビーチファッションを競うコンテストが開催されるのだ。
参加者たちは地元の店の商品を割引価格で購入することができるという。犬用のおやつやアクセサリーから炭酸水までより取りみどりだ。
大会がスタートしたのは2006年。当時は「スモール・ウェーブ・サーフ・ドッグ・コンペティション」という名前で、サンフランシスコに拠点を構えるTCB Cafe Publishing社がスポンサーだった。ただし、史上初のドッグサーフィン大会を考案したのは『The Dog's Guide to Surfing』の著者ケヴィン・リードであり、会場はサンディエゴにあるロウズ・コロナード・ベイ・リゾートだったという。
この大会が大成功を収めたことから、世界各地で類似のドッグサーフィン大会が開催されるように。当初からのスポンサー、TCB Cafe Publishing社は大会を世界規模に拡大し、NPOの支援を集めている。
マリンスポーツが好きなのは人間だけではない。水遊びが得意な犬だっているのだ。トップサーファーたちいわく、そのような犬たちは海辺で一般的な犬とは異なる才能を発揮するようになるらしい。
水さえ苦手でなければ、どんな犬種でもサーフィンが可能。ただし、シーズーやパグ、ペキニーズ、ヨークシャーテリアといった一部の小型犬はあまりサーフィン向きではないようだ。一方、ウォータードッグやスパニエル、ラブラドール・レトリーバー、チェサピーク・ベイ・レトリーバーはサーフィンが得意だと言われている。
レトリーバーのなかでは社交性が低いとされるチェサピーク・ベイ・レトリーバーだが、それでもかなりフレンドリーかつ活発。体重は平均30キログラム、体高58センチメートルに達する大型犬であり、力強さを秘めているためサーフィンに最適だ。
とてもアクティブで運動が大好きなスパニッシュ・ウォーター・ドッグ。体重は平均18キログラム、体高は43センチメートル程度の中型犬で、チェサピーク・ベイ・レトリーバーよりは小柄だが、水中での活動に長けている。