試合が長時間中断した「マドリード・ダービー」:クルトワの挑発でファンがライターを投げ込む
9月29日、アトレティコ・マドリードの本拠地「シビタス・メトロポリターノ」で行われたスペイン1部リーグ戦が一時中断を余儀なくされた。ライターが投げ込まれ異例の時代になったという。
その日、シビタス・メトロポリターノでは、今シーズン最初のマドリード・ダービーにあたる、アトレティコ・マドリード対レアル・マドリードの試合が行われていた。
試合が動いたのは後半63分、レアル・マドリードのエデル・ガブリエウ・ミリトンが先制点をあげる。すると、レアル・マドリードGKティボー・クルトワの後ろに陣取ったアトレティコのサポーターたちが、クルトワめがけてライターを投げつけたのだ。
ライターを投げつけられたクルトワは、ピッチに落ちたそれを拾い、二度にわたって主審マテオ・ブスケツ・フェレールのもとに届けることになった。
主審は結局、68分に試合を中断、選手たちを一旦ロッカールームに下がらせることにした。のちに試合記録に記されたところでは、主審は「投擲行為発生時の対処法」に沿って判断を下したという。
試合再開までは17分を要した。その間、アトレティコのディエゴ・シメオネ監督、主将MFコケ、CBホセ・マリア・ヒメネスは興奮ぎみのサポーターをなだめ、試合を無事に終わらせるためピッチに物を投げ込まないよう求めた。
試合は結局、後半アディショナル・タイムにアンヘル・コレアが同点ゴールを決め、1-1のドローに終わった。
アトレティコのディエゴ・シメオネ監督は試合後の記者会見で、レアルのGKティボー・クルトワへの制裁を要求した。監督によれば、そもそもの発端はクルトワの挑発行為だったという。
「ライターを投げた観客たちにも、観客を煽った側にも、どちらにも制裁を加えるべきです。そうすれば今後、このような騒ぎはなくなるでしょう」と、シメオネ監督はコメントしている。
アトレティコの主将コケも、サッカーチャンネル「DAZN」のインタビューに答えるなかで、まずはレアル・マドリードGKティボー・クルトワの挑発行為を非難している。
「サッカーのピッチで起きてはならないことです。プロである私たちは場をわきまえ、理性的に振る舞わなければなりません。また、一部のファンの行為を取り上げてすべてのファンを責めることはできません。このようなことが二度と起こらないことを願います。僕たち選手ももっと理性的になる必要があります」と、コケは語っている。
シメオネ監督が言うように、アトレティコのサポーターの一部がライターを投げつけるに至ったのは、クルトワの挑発的な行為に触発されたからであるようだ。制裁の有無について、スペインサッカー連盟が検討を行っている。
いずれにしても、この一件でリーガ・エスパニョーラとスペイン・サッカーのイメージが著しく損なわれたことは間違いない。渦中の人物であるクルトワについては、彼がアトレティコの選手であったころも、レアル・マドリードの本拠地サンティアゴ・ベルナベウで似たような事件が起こっている。
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