泣きっ面に蜂:FCバイエルン・ミュンヘンにマネーロンダリング疑惑!?
ドイツを代表するサッカークラブの1つ、FCバイエルン・ミュンヘンはいま、チームの低迷やマネーロンダリング疑惑について報道各社から激しい集中砲火を浴びている。
FCバイエルン・ミュンヘンはチャンピオンズリーグから脱落してしまったばかりか、ブンデスリーガでの首位維持にさえ悪戦苦闘しているのだ。
ピッチ内外での波乱に見舞われたFCバイエルン・ミュンヘンは4月、ペップ・グアルディオラ率いるマンチェスター・シティFCに1-4で敗れ、チャンピオンズリーグから脱落。
ナーゲルスマン監督の解任によって、チームの団結力には疑問符が付くことに。
トゥヘル新監督の着任でチームの雰囲気はひとまず改善に向かったものの、レロイ・サネやサディオ・マネを巻き込んだ内輪もめで、FCバイエルン・ミュンヘンは失点を重ねている。
その上、現在は名誉会長を務めるウリ・ヘーネス元会長にマネーロンダリング疑惑まで持ち上がったのだ。
ウリ・ヘーネス名誉会長は現在、FCバイエルン・ミュンヘンを通してロシア人オリガルヒ、アリシェル・ウスマノフのマネーロンダリングに協力した疑いで捜査を受けている。
ウズベク系ロシア人オリガルヒとして知られるアリシェル・ウスマノフ。その純資産は推定195億ドルに上り、世界長者番付のトップ100にランクインしている。
ウスマノフはソ連崩壊後に金属・鉱山事業で財を成し、現在ではロシアの大手携帯キャリア「MegaFon」も所有している。
ロシアによるウクライナ侵攻を受け、欧州連合(EU)はウスマノフをブラックリストに追加。EU各国への渡航を禁じたほか、資産凍結も行っている。
ウスマノフはプーチン大統領と緊密な関係にあるとして、親プーチン派オリガルヒの巨頭だと見なされたのだ。
疑惑の発端となったのは、FCバイエルン・ミュンヘンがなぜウスマノフなどとつながりを持っていたのかということだ。
捜査を取材中の独タブロイド紙『ビルト』によれば、ウリ・ヘーネス名誉会長はアリシェル・ウスマノフのドイツにおける手先としてマネーロンダリングに加担したと見られている。
ウスマノフはFCバイエルン・ミュンヘンのホームスタジアム、アリアンツ・アレーナで行われる試合のチケットや特典を何度も受け取っており、このことは両者の深い関係を示唆するものだ。
フランクフルトのドイツ検察当局の説明によれば、現在行われている捜査はFCバイエルン・ミュンヘンやチームそのものを対象としたものではないという。ただし、ヘーネス名誉会長については、ウスマノフとの密接な関係のため間接的な取り調べを受けているようだ。
一方、FCバイエルン・ミュンヘン側はコメントを控え、捜査の行方を見守るとしている。チーム内の不和に加えて不正疑惑まで吹き出し、悪夢のようなシーズンとなったFCバイエルン・ミュンヘン。はたして、この逆境を乗り越えることはできるのだろうか?