世界各地のマイナースポーツ8選:イタリアのカウチョ、アジアのカバディってなに?
大勢で盛り上がれる娯楽としてだけでなく、共同体の価値観や信念を反映し、社会を形作る上でも大きな役割を担っているスポーツ。そのため、各国独自のスポーツ文化はたとえマイナーなものであっても侮ることはできない。
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バスケットボールやゴルフ、サッカー、アメフト、F1、野球、クリケット、ラグビーといった花形スポーツがある一方、あまり競技人口の多くないスポーツもたくさんある。しかし、そういったマイナースポーツも、熱い戦いでファンを魅了しているという点では人気スポーツと変わらない。
そこで、今回は最近注目を集めるマイナースポーツをいくつかご紹介しよう。きっと新たな魅力を発見できるはずだ。
1,000年以上にわたり形を変えながらアイルランドでプレーされ続けてきたゲーリックフットボール。同国の人々にとってはとても大切な伝統だ。選手は生まれた地域で所属チームが決まり、チーム移籍は罪深い行いですらある。
ゲーリックフットボールのルールはサッカーやその他のフットボールとは異なっており、それがユニークな醍醐味となっている。スピーディーなゲーム展開、激しい身体のぶつかり合い、独自ルールの組み合わせに夢中になるファンも少なくない。
ゲーリックフットボールの試合はエキサイティングで熱い戦いになるのが常だ。激闘の中でこそ、ハラハラする展開や忘れがたい名シーンが生み出されるのだ。
オーストラリアで人気のオーストラリアンフットボール。同国内での人気は高く、多数の観客やファンを抱えているが、プレーが行われているのは南部の3州だけだ。
ゲーム展開が速い上、体力も要求されるとあって、ファンは試合に目が釘付け。最高のテクニックと高い身体能力がなければなしえないスポーツだ。
オーストラリア独自のオーストラリアンフットボールだが、実はゲーリックフットボールと共通している点もある。オーストラリア国立博物館のサイトによれば、オーストラリアンフットボールは入植者たちが19世紀初頭にゲーリックフットボールと先住民の球技「マーングルック」を組み合わせて考案したとされている。
インドをはじめ南アジア諸国で人気を誇るカバディだが、最近では世界各地でファンを増やしているようだ。フィジカルのぶつかり合いでありながら頭脳戦の側面も持ち合わせており、押されていたかと思えば反撃に転じる目まぐるしいゲーム展開で見る者を飽きさせない。先の読めない面白さこそがこのスポーツの魅力だ。
カバディは一風変わったスポーツであり、よく似たスポーツは他にない。しかし、ラグビー、タグラグビー、キャプチャー・ザ・フラッグの組み合わせのようなものだと説明されることが多い。ラグビーのような身体のぶつかり合いがある一方で、キャプチャー・ザ・フラッグと同様にラインを超えることで得点が入るためだ。タグラグビー的な側面は、守備側プレーヤーにタッチするとその選手をアウトにすることができるという点だ。
4,000年あまりの長い歴史を持つとされるカバディは、インドおよび南アジア諸国で大きな文化的意義を保っている。昨今では、メディアの発展により国際的な知名度が高まりつつある。
単に「ラグビー」といえば主にラグビーユニオンのことを指すが、ラグビーリーグの存在も忘れてはならない。主にオーストラリア、太平洋諸島、ニュージーランド、英国でプレーされており、地域によってはラグビーユニオンよりもメジャーなスポーツとなっている。
1895年にラグビーユニオンと袂を分かったのち、無数のルール変更が行われたことで独自の雰囲気とスタイルが確立された。ラグビーリーグはラグビーユニオンに比べてゲーム展開がスピーディーでスコアも高くなる傾向があるため、エンタメ性の高いスポーツとなっている。
キックが重要なラグビーユニオンとは対照的に、ラグビーリーグではトライがゲームを左右する要素だ。ルールもラグビーユニオンと比べればシンプルになっているため、初心者にもとっつきやすいと言えるだろう。NFLのシーズンオフ中に開催される上、ルールも似ているのでアメフトファンにオススメだ。
バスケットやサッカーの要素を合わせ持ったテンポの速いスポーツ、それがハンドボールだ。目まぐるしい攻守交替とスピーディーなゲーム展開のおかげで、手に汗を握るエキサイティングな試合を見せてくれる。
ハンドボールは選手との距離が近く、見ているだけで試合に夢中になれることから、観戦者からの評価が高いことで知られている。また、屋内・屋外を問わず様々なコートでプレーできるため、汎用性のあるスポーツとなっている。
ハンドボールはヨーロッパとアフリカで人気の世界的なスポーツだが、とりわけ熱心なファンを抱えているのは北欧だ。実際、デンマークとアイスランドでは国技となっているほどだ。
およそ3,000年もの歴史を誇るとされるアイルランドのスポーツ、ハーリング。「ハーレイ」というスティックを用いて、「シリター」と呼ばれる専用のボールを相手チームのゴールポスト間に打ち込むことで得点になる。
様々な観点から、ハーリングはフィールドホッケーやラクロス、シンティといったスポーツと比較されることが多い。スティックとボールを用いて芝のコートで試合をするという点ではフィールドホッケーと、スティックでボールを操り得点を目指すという点ではラクロスと、アイルランドの伝統スポーツという点ではシンティと似ているのだ。
ただし、他のスポーツと類似点があるとはいえ、ハーリングは独自のルールやテクニック、歴史を備えたユニークなスポーツだ。強靭なフィジカルとスピーディーなゲーム展開という組み合わせは、華麗なスティックさばきやシュート技術と相まって、観客を沸かせる要因となっている。
ネットボールは、7人編成のチームでコートの端にある相手側ゴールリングにボールをシュートして得点を競うという、数少ない女子選手専用のスポーツだ。
バスケットボールやハンドボールと比較されることが多いネットボール。相手のゴールリングにシュートを放つため味方にパスをつなぐという点ではバスケットボールに似ているが、走りやジャンプ、ボールのハンドリング技術といった点ではむしろハンドボールと似ているのだ。
しかし、ネットボールは独自のルール体系やテクニック、戦略を備えたユニークなスポーツだ。コート内でのポジションやボールを持たない選手の動き、ボールハンドリング技術などに重点が置かれているため、チームワークや華麗な身のこなしを楽しみにするファンにとっては目が離せないダイナミックなスポーツとなっている。
さらに、相手プレーヤーに対する接触を厳しく禁じているという点で他のスポーツとは一線を画しており、幅広い選手層の活躍を可能にしている。
16世紀のフィレンツェで誕生したサッカーの原型、カルチョ・フィオレンティーノ。27人編成のチームが広い砂の競技場を駆け回り、相手チームのゴールにボールをシュートすることで得点を目指す。強靭なフィジカルを駆使して激しくぶつかり合い、砂のフィールドを素早く走り抜けるテクニックが要求される過酷なスポーツだ。
サッカーとは異なり手を使うことができるほか、ファウルがあった場合には「乱闘」によって解決されることになっており、選手とファンの熱気は否応なく高まる。
イタリアの歴史や文化を肌で感じることができるユニークなスポーツ、カルチョ・フィオレンティーノ。砂のフィールドで行われる激闘は忘れがたい光景を見せてくれるはずだ。サッカーファンや歴史愛好家、変わったものの好きな方にオススメ。