現代サッカーに革命をもたらした25人の名監督

サッカーを進化させた名監督たち
25. アーセン・ベンゲル(フランス)
24. オットマー・ヒッツフェルト(ドイツ)
23. ハーバート・チャップマン(イングランド)
22. ユップ・ハインケス(ドイツ)
21. ヴィクトル・マスロフ(ロシア)
20. ファビオ・カペッロ(イタリア)
19. ジネディーヌ・ジダン(フランス)
18. ブライアン・クラフ(イングランド)
17. マルチェロ・リッピ(イタリア)
16. ジョバンニ・トラパットーニ(イタリア)
15. ユルゲン・クロップ(ドイツ)
14. ミゲル・ムニョス(スペイン)
13. マット・バズビー(イングランド)
12. ジョゼ・モウリーニョ(ポルトガル)
11. ビル・シャンクリー(イギリス)
10. エルンスト・ハッペル(オーストリア)
9. エレニオ・エレーラ(イタリア)
8. ヴァレリ・ロバノフスキー(ウクライナ)
7. ボブ・ペイズリー(イギリス)
6. カルロ・アンチェロッティ(イタリア)
5. ジョゼップ・グアルディオラ(スペイン)
4. アリゴ・サッキ(イタリア)
3. ヨハン・クライフ(オランダ)
2. アレックス・ファーガソン(イギリス)
1. リヌス・ミケルス(オランダ)
サッカーを進化させた名監督たち

フットボール史を通じて数多くの名将たちが、勝利を目指して試行錯誤を続け、戦術に革新をもたらしてきた。ここでは、当メディアが独自に選出したサッカー史に名を刻む名監督25人を見ていこう

Sports Unlimited News をフォローして世界のスポーツをいつも手元に

25. アーセン・ベンゲル(フランス)

J1の名古屋グランパスを指揮した経験もあるアーセン・ベンゲルは、英プレミアリーグの名門アーセナルの伝説的な指揮官。クラブ最長の22年間(1996年〜2018年)にわたって指揮を執り続けた。プレミアリーグ優勝3回、FAカップ優勝歴代最多7回と歴史に残る成績を収めた。ベンゲルの指導で才能を開花させた選手は多く、指導者としての功績も大きい。

24. オットマー・ヒッツフェルト(ドイツ)

ドイツの生ける伝説であるオットマー・ヒッツフェルトは、ドイツの2大名門クラブであるドルトムント(1997年)とバイエルン・ミュンヘン(2001年)のそれぞれでUEFAチャンピオンズリーグを制覇。優れた戦術眼をもつ同監督は、相手チームに自由を与えないゲームプランでチームを勝利に導いた。ドルトムントで2回、バイエルン・ミュンヘンで5回のブンデスリーガ優勝を成し遂げたドイツサッカー屈指の名将だ。

23. ハーバート・チャップマン(イングランド)

現在ではあまり知られていないが、イングランド主審のハーバート・チャップマン(写真左)は、現代サッカーの礎を築いた名監督の一人。 同監督は1920年代に、現代的な組織化されたフットボールの基礎を確立。1920年代にアーセナルを率いて、当時WMと呼ばれた3-2-2-3のフォーメーションをチームに浸透させ、イングランドを席巻した。

22. ユップ・ハインケス(ドイツ)

ドイツ出身のユップ・ハインケス率いるバイエルン・ミュンヘンは、2013年に世界最強のチームの一つとして名を馳せた。それ以前にも同監督は、1998年にレアル・マドリードを率いてUEFAチャンピオンズリーグを制覇。複数のリーグで名将として功績を残した。

21. ヴィクトル・マスロフ(ロシア)

ヴィクトル・マスロフも現代サッカーの礎を築いた一人。現在でも多くのチームが採用する4-4-2フォーメーションの戦術の確立に貢献。革新的な戦術によってディナモ・キエフを3つの国内タイトル獲得に導いた。マスロフが現代サッカーの戦術にもたらした影響は計り知れない。

Photo:@RedMarrow_(X)

20. ファビオ・カペッロ(イタリア)

ACミランやレアル・マドリードを指揮して数多くのタイトルを獲得した名将ファビオ・カペッロ。同監督は自身の戦術をチームに徹底するため、非常に厳格なことでも知られていた。ACミランを率いてセリエAを4回、UEFAチャンピオンズリーグを1回制覇し、レアル・マドリード監督時代にはラ・リーガで2度の優勝。ASローマやユヴェントスの監督としてもセリエA優勝を成し遂げている。

19. ジネディーヌ・ジダン(フランス)

ジネディーヌ・ジダンは戦術に革新をもたらしたとまでは言えないものの、どんなチームでも選手のモチベーションを高め、勝利に導くことができる並外れたリーダーである。レアル・マドリードの監督として、前人未到のUEFAチャンピオンズリーグ3連覇を成し遂げたことからもその資質が窺える。

18. ブライアン・クラフ(イングランド)

歯に衣着せぬ発言で知られていたブライアン・クラフだが、監督としての実績は確かだ。ノッティンガム・フォレストでヨーロッパカップ2連覇(1979年〜1980年)という偉業を達成している。

17. マルチェロ・リッピ(イタリア)

イタリアサッカー界のレジェンドであるマルチェロ・リッピは、ユヴェントスを率いた1995年、チームに9年ぶりのリーグ優勝をもたらした。その後も同チームを率いてセリエAで4度優勝、1996年にはUEFAチャンピオンズリーグも制覇した。2006年にはイタリア代表監督としてワールドカップ優勝も成し遂げている。

16. ジョバンニ・トラパットーニ(イタリア)

ジョバンニ・トラパットーニは、サッカー史上最も成功し、尊敬される監督の一人。1976年から1986年にかけてユヴェントスを率い、クラブの黄金時代を築いた。この期間、セリエAで6回の優勝を果たし、さらにヨーロッパの主要な大会すべてでタイトルを獲得。具体的には、1984年のカップウィナーズカップ、1985年の欧州チャンピオンズカップ(現UEFAチャンピオンズリーグ)、そして1976年と1993年のUEFAカップ(現UEFAヨーロッパリーグ)が挙げられる。これにより、ユヴェントスは当時の全欧州カップ戦を制覇した数少ないクラブの一つとなった。

15. ユルゲン・クロップ(ドイツ)

ユルゲン・クロップは、2020年代のリヴァプール復権の立役者。驚異的なスピードでトランジション(攻守の切替)を行う「ストーミング」戦術で、プレミアリーグとUEFAチャンピオンズリーグを制覇。リヴァプールの監督就任以前には、ドルトムントを指揮し、2011年と2012年にブンデスリーガを制覇。バイエルン・ミュンヘンのブンデスリーガでの長年にわたる連続優勝に終止符を打った。また、2013年にはドルトムントでもUEFAチャンピオンズリーグ決勝に進出したが、惜しくも準優勝に終わっている。

14. ミゲル・ムニョス(スペイン)

スペイン出身の名将ミゲル・ムニョスは、1954年から1958年の間にレアル・マドリードであらゆるタイトルを獲得。ラ・リーガで4回、ヨーロッパカップ(現UEFAチャンピオンズリーグ)で3回の優勝を達成し、クラブのレジェンドとなった。ムニョスはその後も長く続くレアル・マドリードの台頭の基礎を作ったと言える。

13. マット・バズビー(イングランド)

マット・バズビーは英国フットボール界のレジェンドというべき名監督。同監督が指揮したマンチェスター・ユナイテッドの選手たちは「バスビー・ボーイズ」の愛称で親しまれ、観客を魅了した。 1958年のミュンヘン航空事故で主力選手数名が命を落とすという悲劇に見舞われたが、見事にチームを建て直し、1968年のヨーロッパカップ優勝などユナイテッドにタイトルをもたらした。

12. ジョゼ・モウリーニョ(ポルトガル)

「スペシャルワン」の異名をもつポルトガル出身の名将ジョゼ・モウリーニョ。強度の高い守備とトランジションを導入し、スペインを席巻していたグアルディオラ監督のバルセロナに対抗した。2004年にはポルトで、2010年にはインテル・ミラノでUEFAチャンピオンズリーグ制覇を成し遂げており、多くのリーグを渡り歩いて優れた実績を残している。

11. ビル・シャンクリー(イギリス)

スコットランド出身のビル・シャンクリーは、1960年代にリヴァプールの黄金時代を築いた伝説的な監督。1959年に、調子を落としていた同クラブの監督に就任すると、短期間でヨーロッパのサッカーの頂点に導いた。その在任中、リヴァプールはリーグ優勝3回(1964年、1966年、1973年)と、1973年のUEFAカップ優勝を果たしている。シャンクリーは、チームワーク、激しいプレッシャー、厳格な規律を導入し、クラブに新しいアイデンティティをもたらした。その情熱は現在でもクラブやファンに受け継がれている。

10. エルンスト・ハッペル(オーストリア)

ストイックな性格でも知られるエルンスト・ハッペルは、強度が高く規律のとれたチームを構築し、勝利へと導いた。フェイエノールト(1970年)やハンブルクSV(1983年)を指揮し、それぞれでヨーロッパチャンピオンクラブカップ優勝。さらに、母国オーストリア代表監督として、チームを1978年ワールドカップ出場に導いた。

9. エレニオ・エレーラ(イタリア)

エレニオ・エレーラはサッカー史に最も大きな影響を与えた監督の一人。コンパクトで強固な守備を構築し、素早いカウンターを繰り出す戦術「カテナチオ」の確立に貢献した。この戦術を駆使し、インテルで1964年と1965年に欧州チャンピオンズカップを制覇。セリエA優勝も果たしている。エレーラが導入した完璧に組織化されたチームプレー、厳格な規律、揺るぎないメンタリティは、現代サッカーの戦術に多大な影響を与えている。

8. ヴァレリ・ロバノフスキー(ウクライナ)

ウクライナ出身のヴァレリ・ロバノフスキーは現在ではあまり知られていないが、優れた戦術眼をもつ名将だ。そのスタイルは、激しいプレッシングと厳格な戦術的規律を特徴としている。ディナモ・キエフを率いて欧州チャンピオンズカップを2回(1975年、1986年)制覇し、ソ連チャンピオンシップのタイトルも獲得した。

7. ボブ・ペイズリー(イギリス)

ビル・シャンクリーの後任としてリヴァプールの指揮を執ったボブ・ペイズリーは、チームをヨーロピアンカップ(1977年、1978年、1981年)3度優勝、リーグ制覇6回、FAカップ制覇に導いた。同監督は、選手やスタッフ、監督として生涯の50年以上をリヴァプールに捧げ、その功績によってクラブ史上最も偉大な監督の一人として記憶されている。

6. カルロ・アンチェロッティ(イタリア)

イタリア出身のカルロ・アンチェロッティはスター選手たちをまとめあげる手腕に優れた名将。その監督としてのキャリアの中であらゆるタイトルを勝ち取ってきた。指揮した全てのクラブで優れた実績を残し、指導者としてのキャリアの中で既にUEFAチャンピオンズリーグ5回優勝(レアル・マドリードで3回、ACミランで2回)を成し遂げている。

5. ジョゼップ・グアルディオラ(スペイン)

ジョゼップ・グアルディオラは、間違いなく現代サッカー最高の監督の一人である。バルセロナでは、「ティキタカ」と呼ばれるパスサッカーをチームに浸透させ、UEFAチャンピオンズリーグを2回制覇。現在指揮を執るマンチェスターシティでは、クラブ初のUEFAチャンピオンズリーグ制覇を達成した。バルセロナ、バイエルン・ミュンヘン、マンチェスター・シティで合計12個のタイトルを手にした世界トップレベルの戦術家だ。

4. アリゴ・サッキ(イタリア)

サッキは、ACミランの黄金時代を築いた立役者であり、革新的なスタイルでサッカー界に名を刻んだ。徹底的なプレッシングと絶え間ないトランジションによって、相手を圧倒する攻撃的スタイルを確立した。このスタイルを武器に、1989年と1990年にACミランをUEFAチャンピオンズカップ2連覇へと導いた。

3. ヨハン・クライフ(オランダ)

アヤックス、FC バルセロナでサッカー史に残る実績を残したヨハン・クライフ。選手としても世界トップレベルの選手だったが、監督としても天才的だった。ボールポゼッションとプレッシングを基盤に、多才な選手たちを戦術に組み込んだ「トータルフットボール」を完成させた。その影響力は現在も絶大で、世界中でクライフのスタイルが受け継がれている。

2. アレックス・ファーガソン(イギリス)

スコットランド出身のアレックス・ファーガソンは、マンチェスター・ユナイテッドで27年間の長期に渡って指揮を執った伝説的な監督。その在任中、マンチェスター・ユナイテッドはプレミアリーグで13回、UEFAチャンピオンズリーグで2回のタイトルを獲得。世界最大のクラブの一つとなった。選手の才能を見抜く観察眼、戦術的なひらめきといった監督に必要なあらゆる能力を備えた名将だ。

1. リヌス・ミケルス(オランダ)

現代の組織的なディフェンスの基礎を作ったのがリヌス・ミケルスだ。トータルフットボールの創始者としてクライフらも指導した同監督は、サッカーに革命をもたらした。アヤックスを指揮して欧州制覇に導き、FCバルセロナでもリーグ制覇を達成。オランダ代表監督として母国をワールドカップ決勝に導いたが、惜しくも西ドイツに敗れ、準優勝に終わった。

Sports Unlimited News をフォローして世界のスポーツをいつも手元に

ほかのおすすめ