溢れる才能を活かしきれなかったテニス選手たち

才能だけでは十分ではない
精神的なタフさが重要
才能を活かしきれなかった選手たち
ニック・キリオス
素晴らしい才能
「テニスは嫌いだ」
リシャール・ガスケ
見事な片手バックハンド
好調なスタートを切る
怪我と薬物問題で不調が続く
エルネスツ・ガルビス
メンタル面での脆さ
キャリアの乱高下
調子が安定しない
ブノワ・ペール
テニス以外のことに夢中?
賛否両論の選手
ファビオ・フォニーニ
悪ふざけが過ぎる一面も
ファビオ・フォニーニvsラファエル・ナダル
バーナード・トミック
激しい気性がキャリアの妨げに
乗り切れないキャリア
才能だけでは十分ではない

いかなるプロスポーツであれ、生まれもった才能だけでトップ選手でありつづけることは出来ないだろう。テニスもその例外ではない。

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精神的なタフさが重要

優れた技術で注目を集めたテニス選手は数多く存在する。しかし、世界のトップに登りつめるのは、揺るぎない精神力でその才能を最大限に活かした選手たちだ。

才能を活かしきれなかった選手たち

並外れた才能で世界のトップクラスに到達しながら、その才能を活かしきれなかったテニス選手たちのキャリアを振り返ってみよう。

ニック・キリオス

ニック・キリオスは、21世紀のテニス選手の中で、最もその才能を活かしきれていない選手かもしれない。万全のパフォーマンスを発揮した際には、ロジャー・フェデラー、ノバク・ジョコビッチ、ラファエル・ナダルのビッグ3と遜色ないプレーを見せる数少ない選手の1人だ。

素晴らしい才能

天賦の才能に恵まれたキリオスは、多彩なショットを打つことができる。優雅なストローク、力強いショット、正確なコントロール...…。キリオスは、世界のトップに君臨するために必要なすべてを備えている。しかし残念ながら、精神的な強さを欠いていると言えるだろう。

「テニスは嫌いだ」

仏新聞『ル・フィガロ』のインタビューで、キリオスは「テニスが嫌い」だと認めた。彼は、金のためにプレーしており、バスケットボールに「本当の情熱」を向けていることは公然の事実だ。2022年にはノバク・ジョコビッチとウィンブルドン決勝で対決したキリオスは現在まだ28歳で、テニス界最高の選手の一人になれる可能性はまだ残されている。

リシャール・ガスケ

リシャール・ガスケはジュニア時代、世界で最も期待された選手だった。「テニス界の小さなモーツァルト」の異名を持つガスケは、ジュニア時代にあらゆるタイトルを獲得した。モンテカルロマスターズでは、15歳10か月で勝利を収め、マスターズ1000の最年少勝利記録を樹立した。

見事な片手バックハンド

2002年に全仏オープンと全米オープンのジュニア男子シングルス部門で優勝を果たしたリシャール・ガスケは、将来は世界最高の選手になると噂されていた。彼の片手バックハンドは世界でもトップレベルで、母国フランスでも大きく注目された。

好調なスタートを切る

2005年には19歳にして世界ランキングトップ20入りを果たし、その後も躍進を続けた。2007年、21歳にしてウィンブルドンの準決勝に進出し、その年の世界ランキングを自己最高となる7位で終えている。

怪我と薬物問題で不調が続く

残念なことにその後の数年間は、数々の怪我と薬物問題に見舞われた。そういった問題が選手生命に悪影響を及ぼし、2012年には世界ランキングトップ10に返り咲いたものの、トップレベルにまで調子が戻ることはなかった。

エルネスツ・ガルビス

ラトビアのエルネスツ・ガルビスは、コート内で長短を織り交ぜたショットを打てる稀有な選手の1人である。力強くも魔法のように繊細なボールコントロールに恵まれた彼は、2002年にジュニア大会「レ・プティ・アス」で優勝して以来、並外れたキャリアを歩むだろうと思われていた。

メンタル面での脆さ

しかし、試合の重要な場面で極度の緊張に陥りがちだった。対戦相手を実力で上回っている場合でも、ガルビスは本来の力を出しきれず大事な一戦で勝利を逃すことも多かった。

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キャリアの乱高下

2014年には、精神面の弱点を克服したかのようにガルビスは全仏オープンで準決勝に進出し、同年世界ランキングでトップ10入りを果たした。しかし、翌2015年はそれ以前と同様の不安定なパフォーマンスを繰り返し、非常に厳しいシーズンになった。

調子が安定しない

素晴らしい技術を持ちながらメンタル面の脆さをもつエルネスツ・ガルビスは、世界レベルで安定して勝利を収めることができなかった。誰にも劣らない実力を持っているにもかかわらず、格下の選手に敗れることも多かったガルビスは、才能を活かしきれなかった選手の一人と言うべきだろう。

ブノワ・ペール

キリオスだけでなく、ブノワ・ペールもテニスへの情熱が足りず、その才能を活かしきれていない選手だ。テニス界で最高のボールコントロールを持つ選手の一人であり、見事なドロップショットを打つことができるのだが……。

テニス以外のことに夢中?

優れた技術を持つペールだが、問題はテニスに真剣に取り組んでいないことかもしれない。パーティー好きとして知られるペールは、テニスにそれほど打ち込んでいないないように見える。素晴らしいパフォーマンスを見せる一方で、問題行動は絶えないようだ。

賛否両論の選手

一部のファンからは人気を集める一方で、批判を浴びることも多いペールは、テニス界で最も話題性に富んだ選手でもある。派手なプレーで観客を魅了する一方、素行不良でフランス代表チームから除外された苦い経験もある。

ファビオ・フォニーニ

ファビオ・フォニーニは、クレーコートで最も輝く選手の一人だ。強烈なバックハンドで、どんな状況もひっくり返すことができる。しかし他の選手同様、メンタル面が安定しないという弱点が挙げられる。

悪ふざけが過ぎる一面も

ファビオ・フォニーニは対戦相手を挑発したり侮辱したりとフェアプレーに反する言動も多く、その結果、退場処分になることも多々ある。

ファビオ・フォニーニvsラファエル・ナダル

2015年、ファビオ・フォニーニは1年でラファエル・ナダルを3度(リオ、バルセロナ、全米オープン)破り、並外れた才能を発揮。2019年のモンテカルロ・マスターズでは準決勝でナダルを破り優勝し、自己最高となる世界ランキング9位になった。

バーナード・トミック

真の天才と呼ばれたバーナード・トミックは、権威あるジュニア大会「オレンジボウル国際テニス選手権」で2004年、2006年、2007年に各年齢カテゴリーで優勝した。また、14歳のときには17歳の選手を相手に、初めてのジュニアトーナメントで優勝を果たした。

激しい気性がキャリアの妨げに

ナイキやIMGなどのスポンサーが若き天才トミックに興味を示した。全豪オープンと全米オープンのジュニア部門で優勝した彼は、2009年にプロデビューを果たす。しかし、生来の気性の荒さからコートの内外でトラブルを起こすようになり、トップレベルの争いからは完全に蚊帳の外になってしまった。

乗り切れないキャリア

トミックはウィンブルドンで準々決勝に2回進出し、ツアー4勝をあげているにもかかわらず、一度もシーズンを通して十分に力を発揮できていない。2015年には世界ランキング17位となり、これがキャリアの中で最高順位になっている。

 

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