若手女子サーファー、ゾーイ・ベネデット(18):ブランドモデルとしても人気沸騰
近年、注目を浴びつつある女子サーフィン。カリッサ・ムーアやステファニー・ギルモアなど、10年余りのキャリアを誇るベテランたちが活躍する一方で、才能ある若手も続々と登場してきている。そのひとりが女子サーフィン界の新星、ゾーイ・ベネデットだ。
ゾーイ・ベネデットはいままさに破竹の勢いで評判を高めており、世界のサーフスポットでセンセーションを巻き起こしている。現在18歳と若手だが、サーフィンのプロツアーを運営している「ワールドサーフリーグ」のクォリファイイング・シリーズ(QS)でなんと1位となったのだ。
ベネデットは2023年シーズン前半はやや苦労したが、後半から頭角を現し表彰台に立つようになった。そして8月と9月に素晴らしい成績を収めたことで1位の座を獲得した。
ベネデットはコールド・ウォーターズ・クラシックやマイク・マーティン・プロ、バルバドス・サーフ・プロ、コースタル・エッジECSCプロなどでトップとなっている。
2022年シーズンはQSで5イベントに出場、計11,073ポイントで2位に付けたベネデット。2023年はさらに腕を磨き数多くのコンテストを制し、大きな成長を見せた。
2023年シーズンのベネデットの成績の中でも特筆に値するのが8月にトップとなったコースタル・エッジECSCプロだ。男子のトップは実力派コロヘ・アンディノとレベルの高い試合で、ワールドツアーの参加資格へと一歩近づく大きな勝利となった。
アメリカのバージニアビーチで開催されたファースト・ストリート・ジェティでは波に恵まれず苦労したが、それでも実力差で圧倒し優勝。同大会の最年少優勝記録タイとなり名を挙げた。
同大会での優勝後、ベネデットはWSLを通じてこう語っている:「とてもいい気分です。今回は格別ですね。決勝はとても楽しかったし、ずっとサーフしていたい気持ちになりました。自分のサーフィングにも大変満足しています」
2021年にさかのぼれば、ベネデットはQS7位で、メディア露出も少なかった。しかしひっそりと研鑽を重ね、ついに今年はトップの座に躍り出ることとなった。
ベネデットのキャリアを通じても最大級の成果となったのがバルバドス・サーフ・プロでの優勝。カリブ海でも有数の難しいスポットとして知られるスープボウルを制して一気に5000ポイントを獲得した。
画像:Instagram @zoe_benedetto
そんなゾーイ・ベネデットは2005年8月19日生まれ。アメリカのフロリダ州パーム・シティ出身だ。幼い頃から地元フロリダの暖かなビーチでサーフするのがお気に入りだったという。
ベネデットはそのままジュニア・プロとして活動を開始。デビュー当初からスマートな波選びや切れのある素早い動きなどその才能の片鱗をうかがわせていた。
理由ははっきりしないが、ベネデットは特に冷たい海を得意としている。アメリカのサーフィング雑誌(『ASM』)のインタビューでこの点を聞かれたベネデットはこう答えている:「自分でも理由はわかりません! 両親と一緒に自分の成績を見ていて気付いたんですが、たしかに水が冷たい時のほうが圧倒的に成績が良いんですよね」
ベネデットはこうも語っている:「いったいどうしてなんだろう、フロリダ育ちでサーフブーツだってほとんど履いたことがないのに、って思いました」
サーフィング界で活躍しているベネデットだが、じつはモデルとしてもひっぱりだこ。最近もハーレーとスポンサー契約を結び、レディース商品のリードモデルとなっている。
画像:Instagram @zoe_benedetto
活躍を続けるベネデットがワールドツアーに参加する日も近いだろう。それにふさわしい才能と人柄を備えているのだから。いつの日か、オリンピックで彼女を見ることもあるかもしれない。
画像:Instagram @zoe_benedetto