川崎フロンターレからブライトンへ移籍した三笘薫:英プレミアリーグで日本人最多得点を記録
英プレミアリーグのブライトンに所属する三笘は1月19日、リーグ戦第22節マンチェスター・ユナイテッド戦に先発出場すると、60分に勝ち越しゴールをあげた。これはプレミアリーグ通算15ゴール目にあたり、これまでの岡崎慎司が保持していた日本人最多得点記録を塗り替えた。今回は三笘薫の活躍とこの記録についてふりかえろう。
前節21節にイプスウィッチ戦で岡崎慎司の記録14得点に並んでいた三笘薫は、強豪マンチェスター・ユナイテッドとの重要な一戦で見事に記録を更新。それだけでなく、前半6分には先制点もアシストし、今季3つ目のアシストを記録し、チームの3-1での勝利に大きく貢献した。
この得点で三笘薫は、アジア人選手のプレミアリーグ得点記録でも歴代4位タイにランクイン。3位にはマンチェスター・ユナイテッドなどで活躍した韓国のレジェンド、パク・チソンが19ゴールでランクイン。このペースでゴールを積み重ねれば、三笘が3位となる日も遠くはないだろう。現在1位はトッテナムのソン・フンミンが126ゴールと圧倒的な記録を保持しているが、三笘がどこまで順位を伸ばせるかにも注目だ。
また、マンチェスター・ユナイテッド戦で通算アシスト数を12に伸ばしており、アジア人選手のプレミアリーグにおけるアシスト数では歴代3位にランクイン。日本人ではつづく香川真司、稲本潤一(6アシスト)と差をつけて首位に立っており、今後どこまでアシスト数を伸ばせるかにも期待がかかる。
名実ともにアジアトップレベルの選手に成長した三笘薫の半生を振り返ってみよう。1997年生まれの三笘は、神奈川県出身。地元クラブでサッカーを始め、川崎フロンターレU-10に加入。当時の憧れの選手は、川崎フロンターレのレジェンド、中村憲剛(写真)だったという。その後、高校卒業まで川崎フロンターレの下部組織でプレーした。
川崎フロンターレのユースからトップ昇格の打診も受けていた三笘だが、プロで輝ける確信がないという理由で筑波大学進学を決断。2016年にスポーツ推薦で同大学の体育専門学群に進学した。
筑波大学在学中から特別指定選手として川崎フロンターレと契約した三笘は、2019年にトップチームデビューを飾った。2020年には正式に川崎フロンターレに入団し、シーズン開幕戦でプロデビュー。7月にトップチーム初得点をあげると、得点を量産し、最終的には13得点12アシストを記録。川崎フロンターレのJ1・天皇杯2冠に大きく貢献した。
2021年、三笘はブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCへの移籍を決断。1年目は英国の就労ビザが降りずにベルギー1部のロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズにレンタルされ、27試合に出場。7ゴールをあげ、2022年にはブライトンに加入。徐々にデ・ゼルビ監督の信頼を掴み、スタメンを勝ち取った。
目覚ましい活躍により、日本代表にも主力として招集されるようになった三笘は、2022年カタールW杯にも出場。途中出場から試合の流れを変える役割を担った。グループリーグ第3戦のスペイン戦では、タッチライン際のボールを折り返し、田中碧のゴールをアシスト。ボールがラインを割ったかについてVARで審議された結果、ほんのわずかにボールはピッチライン上に残っていたとしてゴールが認められた。結果的にスペイン撃破と日本のグループリーグ首位通過に貢献し、このアシストは「三笘の1ミリ」として世界中で話題となった。
すでにプレミアリーグを代表する選手の1人として活躍する三笘薫。左サイドを切り裂くドリブルは唯一無二の武器として、世界最高峰のプレミアリーグでも相手ディフェンダーの脅威となっている。日本人最多得点記録保持者となったいま、三笘が次に目指す目標は何だろうか。今後の活躍からも目が離せない。
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