2度目の五輪でリベンジの金メダルを狙うトランポリンの森ひかる選手
国内の競技人口が1500名とされるトランポリン。あまりメジャーなスポーツとはいえないが、日本は優れた選手を多数輩出している。なかでも森ひかる選手は、この夏開催されるパリ五輪で金メダルが期待されている。
「トヨタ モビリティ東京」のインタビューによれば、森選手がトランポリンを始めたきっかけはスーパーの屋上にあった7分200円のトランポリン遊具。4歳だった森選手は、跳ぶのが楽しくてスーパーに行くたびにそのトランポリンで遊んでいたという。
双子の兄達とトランポリン教室に通い始めた森選手。しかし、体格の違いから4歳年上の兄達はどんどん高いレベルのクラスにいってしまう。負けず嫌いの森選手は、なんとか追いつこうとした。そんな兄達の存在がなかったら、今の森選手はなかったとコーチは断言している。『日経新聞』が報じた。
画像:Instagram, @_hikapoline_
2013年、森選手は14歳の史上最年少で全日本選手権を制した。しかし、リオ五輪は年齢制限のため出場することが出来なかった。
2019年の世界選手権で、日本人初となる金メダルを獲得した森選手。ついに念願の東京五輪の切符を手にした。
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しかし、金メダルの最有力候補として挑んだ東京五輪で、森選手は痛恨のミスを重ねてしまう。演技を途中中断し、まさかの予選敗退となってしまった。
『スポーツニッポン』紙によれば、試合後に森選手は嗚咽しながらこうコメントしたという:「ここに来るまで、山を乗り越えても山が出てきて、本当に苦しいなと思いました......逃げたくて逃げたくて仕方なかった」
失意の東京五輪後、森選手は一時期競技から離れた。色々な事を経験し、回転すし屋で人生初のアルバイトもしたという。それらの経験から「トランポリンは楽しい」と再認識したので、パリ五輪にむけて現役を続行することにしたと、『デイリースポーツ』紙が報じている。
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2022年、森選手は世界選手権で2度目の優勝を果たした。そして2024年のトランポリン・グランド・チャンピオンシップで1位となったことで、パリ五輪の日本代表が内定。
1度競技を離れてふたたびトランポリンに取り組んだ森選手が、2度目の五輪への切符を手にした。五輪の悔しさは、五輪でしか晴らせない。きっとリベンジの金メダルを獲得してくれるに違いない。