2022 FIFAワールドカップ:各国代表を率いる監督たちにズームイン!
カタールで開催される2022 FIFAワールドカップに向け、各国の代表チームでは招集メンバーの発表が行われる一方、監督たちも熱戦に備えて体勢を整えつつあるようだ。そこで、有力チームの監督たちをチェックして、ワールドカップ観戦をより楽しもう!
ディディエ・デシャン監督の続投を決めたフランス代表チーム。2012年に代表監督に就任して以来、長きにわたってフランス代表を指揮しており、確かな手腕と豊富な経験が持ち味。実戦を重んじるデシャン監督の合言葉は「能率」だ。
選手時代に数々の大会を制覇してきたディディエ・デシャン監督は、まさに勝利の象徴。監督に就任してからもチャンピオンズリーグでモナコ代表を決勝戦まで導いたほか、フランスのリーグ・アンではオリンピック・マルセイユを率いて優勝に輝いている。さらに、2016年のUEFA欧州選手権では決勝戦まで残り、2018 FIFAワールドカップではフランス代表に優勝トロフィーをもたらした。
1998 FIFAワールドカップの優勝チームでは選手として活躍したデシャン監督。フランス代表監督として2連覇という偉業を成し遂げることはできるのだろうか?強運で知られた「DD(ディディエ・デシャン)」だが、今年はエンゴロ・カンテやポール・ポグバといった主要選手のケガに相次いで見舞われており、運がついているとは言い難い。果たしてフィールドで流れを変えることができるのか、お手並み拝見だ。
数々の有力選手を抱えるワールドカップの強豪、ブラジル代表。このチームを2016年以来率いるのは「チッチ」ことアデノール・レオナルド・バッキ監督だ。ブラジル1部リーグで様々なチームの監督を歴任したベテランで、コパ・アメリカでは2019年のブラジル優勝、2021年の決勝戦進出に貢献している。彼ならばブラジルに史上6度目の優勝トロフィーをもたらすことができるのでは、という期待の声もひときわ高い。
前回のワールドカップではフランス代表に惨敗を喫したアルゼンチン代表。これを受けて、アルゼンチン代表は選手として各国のクラブで活躍した経験を持つリオネル・スカローニに監督を依頼。2021年のコパ・アメリカで優勝を果たしたほか、目覚ましい連勝記録を達成するなど、見事な成果を挙げている。スカローニ&メッシという「リオネル」コンビはどこまで快進撃を続けることができるのだろうか?
ここ数年、低迷気味のスペイン代表はFCバルセロナの元監督、ルイス・エンリケを代表監督に抜擢。エンリケ監督はボールを支配し積極的に攻めるというFCバルセロナ流の戦術で目覚ましい実績を残しており、2008年から2012年にかけて大活躍したスペイン代表の再生を目指している。
2021年にはUEFA欧州選手権で準決勝に進出、UEFAネーションズリーグで決勝進出を果たすなど、上々の監督デビューを果たしたルイス・エンリケ。大幅な世代交代によって往年のスター選手が消えたスペイン代表をどこまで導くことができるのか、その手腕が試されることになるだろう。
U21代表監督からイングランド代表監督に昇格して以来、素晴らしい実績を積み上げているガレス・サウスゲート監督。2018 FIFAワールドカップでは4位に食い込んだほか、2019年にはUEFAネーションズリーグで3位、UEFA欧州選手権で決勝戦進出を果たすなど快進撃を続けている。
2018 FIFAではグループ最下位で敗退するという屈辱を喫したドイツ代表。今、ハンス=ディーター・"ハンジ"・フリック監督の下で復活を図っている。フリック監督はFCバイエルン・ミュンヘンのアシスタントコーチだったが、その後、同クラブの正式な監督に就任。2020年にはチャンピオンズリーグ優勝を果たした。ドイツ代表チームを復活させる上で、まさに適任と言えるだろう。
2018 FIFAワールドカップで予選敗退を喫したオランダ代表は今、目覚ましい復活を遂げつつあるが、それには大きな理由がある:2014年のFIFAワールドカップ・ブラジル大会でオランダ代表を準決勝に導いた伝説の監督ルイ・ファン・ハールが戻って来たのだ。
アヤックス・アムステルダム、FCバルセロナ、FCバイエルン・ミュンヘン、マンチェスター・ユナイテッドをはじめヨーロッパ各地の名門チームを指揮した経験を持つファン・ハール監督。1995年にはUEFAチャンピオンズリーグでアヤックス・アムステルダムを優勝に導くなど、確かな実績で同僚の監督たちからも尊敬を集めている。
しかし、サッカー専門誌『So Foot』が指摘するとおり、ファン・ハール監督はひときわ強烈な個性で知られているのだ。たとえば、自分自身について「いつも自信満々で傲慢、リーダー気質かつ率直で、革新的な働き者」だと述べている。
黄金時代を支えた選手たちを今も抱えるベルギー代表。しかし、ワールドカップ優勝経験はなく、懸命に初優勝を狙っている。代表監督については、スペイン出身のロベルト・マルティネス監督が引き続き采配を振るうこととなった。反発の声もあるが、FIFAワールドカップ・ロシア大会でベルギー代表を3位に導いた実績などから、今大会の代表監督として期待が集まっている。
ポルトガル出身の指揮官としてはジョゼ・モウリーニョの影に隠れてしまいがちなフェルナンド・サントス監督。だからと言って、ポルトガル代表チームに勝利をもたらす手腕に不足があるわけではまったくない。実際、2016年のUEFA欧州選手権で優勝、さらに2019年にもUEFAネーションズリーグを制覇している。今回のワールドカップで代表監督としてハットトリックなるか?
2021年にウルグアイ代表監督に就任したディエゴ・アロンソ。同チームを15年間率いて成功を収めたオスカル・タバレス監督の後任だけあって、責任重大だ。ただし、アロンソ新監督も就任以来、好成績を挙げており、その手腕に不安はない。果たして、ブラジル、アルゼンチンという南米の2大強豪に埋もれずに存在感を発揮できるか?
大舞台の指揮者としてアルゼンチン出身のヘラルド・"タタ"・マルティーノ監督を指名したメキシコ代表チーム。今大会中に60歳を迎えるマルティーノ監督は、FCバルセロナやアルゼンチン代表で監督を務めたこともあるベテランだ。豊富な経験でメキシコ代表の勝利をアシストできるか?
「テランガのライオン」ことセネガル代表の猛者たちを指導するのは、フランス各地のクラブで選手として活躍した経験を持つアリウ・シセ監督。LOSCリール、CSスダン・アルデンヌ、パリ・サンジェルマンFC、モンペリエHSCをはじめ強豪クラブで歴戦を重ねた後、セネガル代表監督として2021年のアフリカネイションズカップで優勝を掴んでいる。ワールドカップ今大会でも彼の活躍に期待だ!