サーファー界の新星ノア・クラップ(21)、落雷事故で九死に一生を得る
ドイツ人の両親のもと、スペインで生を受けたノア・クラップ。10歳のときに家族とサーフィンのメッカである米カリフォルニアに移住し、サーフ界の新星として才能を発揮している。また、サーフィンをテーマにした絵画を制作し、アーティストとしても注目を集めている。
幼い頃から絵画とサーフィンに情熱を捧げてきたノア・クラップ。現在21歳の彼女はインフルエンサーとしても活動しており、SNSアカウントのフォロワー数は合計100万人を超える(Instagramで8万人以上、Tik Tokで約6万8,000人近く)。
ノア・クラップがサーフィンに出会ったのはスペインでのことだ。家族との休暇で訪れていたカナリア諸島のフエルテベントゥーラ島で初めてボードをあやつり、波に乗る体験をしたのだ。
スペインのカナリア諸島でサーフィンの魅力に取りつかれ、クラップは熱心に練習に取り組むようになる。10歳で家族と米カリフォルニア州に移住してからはマリブの海で波乗りを続け、プロサーファーへの道を切り拓いていった。
アメリカの西海岸でサーフィンの練習に明け暮れていたクラップだが、やがて権威ある「ワールドサーフリーグ(WSL)」が運営する国際大会への出場権を手にしたばかりか、みごと好成績を収めて多くの人々を沸かせた。
注目の新人となったクラップは17歳にしてドイツ代表に抜擢され、2021年3月にエルサルバドルの2都市で開催された「ISAワールドサーフィンゲームズ(WSG)」に出場。女子の部でトップ20入りという快挙を果たし、代表メンバー中最高の成績を記録した。
しかし、クラップはこのときの「ISAワールドゲームズ(WSG)」で衝撃的な体験をすることになる。一緒に海上で練習をしていたエルサルバドル出身の女性サーファー、キャセリン・ディアスが雷に打たれた瞬間を目にしたのだ。これにより、生前のディアスと最後に言葉を交わしたのはクラップとなった。
クラップはサーフィン仲間でライバルでもあるディアスの死を目の当たりにした上、自身も落雷を受けかねない状況にあった。コーチを務める父親に救助されたものの、ショックのあまり一時期はベッドから起き上がれず、サーフィンをする気も失ってしまったという。
しかし、クラップは少しずつショックを乗り越えていった。そして、バルバドスで開催されたQSランクの大会で重要な勝利を収めたほか、「チャレンジャー・シリーズ」のポルトガル戦で3位に入賞するなどみごと復帰を果たした。
クラップはスペイン紙『AS』へのインタビューを通じ、「サーフィンでほかに何ができるのか、自分でもよく分かりません。 できればフリーサーフィンを楽しみつつ、より創造的でやりがいのあるプロジェクトに取り組むことが理想です。今の時代にサポートを得るのは簡単ではありませんが、私にしかできないユニークな活動ができればと思います」と語った。
現在、クラップはカリフォルニアに暮らしながらプロサーファーとして国際大会に出場し、個人とドイツ代表の両方で活躍を続けている。その一方で小さい頃から情熱を傾けてきたアートにも取り組み、主にサーフィンを題材とした作品を製作してSNSのアカウント上で発表している。
画像:Imagen: Instagram oficial de Noah Klapp (@noahklapp)
クラップの最新作は、サーフィンをする自身の姿や制作した絵画作品を収めた動画だ。鮮やかな色が使われた絵画には、豊かな想像力や創造性が存分に発揮されている。
画像:Instagram oficial de Noah Klapp (@noahklapp)
『Inamorata』と題されたこの動画は、将来に向けて新たな道を模索するクラップの新境地を示すものとなっている。まったく異なる2つの分野で豊かな才能を発揮し、多くの人々をインスパイアしつつサーフィンを身近なものにするクラップ。若きスターの活躍から今後も目が離せない。