25年前のサッカー界と現在を比べてみよう：昔の方がよかった？それとも.....

現代サッカーが素晴らしいエンターテイメントであることに疑いの余地はない。才能あふれる選手たち、多額の金銭が動くドラマチックな移籍劇、オンラインで観戦可能な無数の試合がサッカーを彩っている。

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しかし、莫大な移籍金や法外なサラリー、SNSで注目される選手といった現代サッカーのあれこれが広まる以前の90年代から2000年代こそが、サッカーの黄金時代だったといえるのではないだろうか。

もはや観客にとって、UEFAチャンピオンズリーグで活躍するスター選手たちは、スーパーヒーローのような手の届かない存在になってしまっている。

英サッカー誌『フォーフォーツー』 によれば、サッカーの人気リーグの有料放送化が進む90年代から2000年代までは、無料放送でスター選手たちの活躍を楽しむことができた。

ここ十数年、クリスティアーノ・ロナウドとリオネル・メッシのほぼ二人だけで、世界最高の選手の座を競っている。しかし90年代から2000年代にかけては、ポール・ガスコイン、ブラジルの英雄ロナウド、ジネディーヌ・ジダン、デニス・ベルカンプといった個性豊かな選手たちが才能を競い合っていた。

現代サッカーでは、選手たちは一流のアスリートにならざるを得ない。サッカー選手として成功するには、ピッチを無尽蔵に走り回り、監督の設定したシステムに順応する必要がある。

2001年にバロンドールを受賞したマイケル・オーウェンは、現代サッカーについて英『ザ・サン』紙に語っている。「かつてはトップ選手になるためには本物のスキルと才能が求められていた。つまり、サッカー選手でなければならなかったんだ。反対に、今はアスリートでなければならない」

「現在では他の人より少しだけ早く走れて、AからBという地点までボールをつなげれば、プレミアリーグでそれなりのキャリアを築くことができる。もはや上手くボールを扱える必要さえないんだ」とオーウェンは語っている。

四半世紀前までは、世界のいたるところにファンタジスタと呼ばれる選手たちがいた。これらの選手たちはピッチ上で自由なプレーを繰り広げ、ボールを持てば予測不可能なプレーを見せた。だからこそ、サッカー観戦はもっとわくわくする体験だったのだ。

90年代から2000年代には、ポール・ガスコイン、ロナウジーニョ、ジェイジェイ・オコチャ、エリック・カントナらが記憶に残るプレーを見せ、ファンに最高のサッカー体験をもたらしていた。試合に勝つために設計されたシステムを最優先する現代サッカーでは、彼らのようにプレーすることはできないだろう。

大手ベッティングサイト『888Sport』 が指摘するように、テクノロジーとソーシャルメディアの進歩により、精密な統計やオンライン上の議論がサッカーを変容させた。もしブラジルのロナウドが現在プレーしていたら、ゴール期待値の低さや守備貢献度の低さで大きな批判を浴びていたかもしれない。

VARが導入されたのはごく最近だが、VARをめぐる議論は尽きることを知らない。審判が試合を裁き、判定ミスが有利にも不利にも働いた人間味あふれる2000年代のサッカーは、遠い時代のことのようだ。

黄金期にあったマンチェスター・ユナイテッドとアーセナルがデッドヒートを繰り広げていた当時、サッカーは今よりもさらに情熱にあふれていた。些細な接触で選手が転倒し、VARチェックで試合が頻繁に止まることなどなかった。あの頃のサッカーには現在より情熱があり、選手たちは勝利に対してさらに貪欲だった。

ファッションは25年前のサッカーを語るうえで外せない要素だ。90年代から2000年代のサッカーは、派手なネックレスや、ストライプのユニフォーム、スパイクの進化など、多様なファッションと結びついた最初の時代だった。

1980年代はフーリガン行為や試合での暴力行為が蔓延した暗黒時代だった。しかし、90年代初めには各クラブが改革を行い、家族連れも安全にサッカーを観戦できるようになった。

『888Sport』によると、衛星放送『Sky Sports』の参入によって、視聴者にとって試合はより魅力的になったという。新たな資金がサッカーに流入したことで競争力が高まり、各チームはレベルを上げるために海外の才能ある選手を獲得するようになっていった。

他の多くのスポーツ同様に、サッカーも過去20年間で大きな変化を遂げてきた。果たして、サッカーは以前よりも良くなったのだろうか、それとも......？

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