BMXトップライダー、パット・ケイシー、29歳で交通事故死
BMX(バイシクルモトクロス)界は史上もっとも偉大なライダーのひとりであるパット・ケイシーを失い、深い悲しみに沈んでいる。
BMXのトップライダーであるパット・ケイシーは6月6日火曜日、ライダー仲間のアクセル・ホッジスがカリフォルニア州に所有するトラック、スレイグラウンド・モトクロス・パークで練習に取り組んでいた。
写真: Instagram - @chasecasey
モトクロス・パークでダートジャンプを行っていたパット・ケイシーは、自身が乗っていたバイクの下敷きになってしまったのだ。
事故の報を受けてすぐに救急隊員が現場に駆け付け、1時間あまりパット・ケイシーの蘇生を試みた。しかし、命を救うことはできなかった。
サンディエゴ郡検死局は、パット・ケイシーの死因は落下してきたバイクによる衝撃とした。しかも、事故が起こったときにパット・ケイシーの家族がサーキットに居合わせたことで、状況はさらに悲痛なものとなった。
FOXニュースによれば、パット・ケイシーの妻チェイス・ケイシーと2人の子供、リード(8歳)とテイタム(7歳)は事故の瞬間を目撃することになったという。
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妻のチェイス・ケイシーはインスタグラムのアカウントを通じ、亡き夫パット・ケイシーとBMXにおけるその偉大なキャリアに敬意を表した。
写真: Instagram - @patcaseybmx
パット・ケイシーはBMX界に数々の伝説を生み出した。たとえば2011 年には「ディケイド・バックフリップ」に成功した史上初のライダーとなっている。
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その後「ダブルディケイド・バックフリップ」を達成し、エクストリームスポーツ競技大会である「エックスゲームズ2021」BMX部門で金メダルを獲得するなど、さまざまな栄誉に輝いている。
翌年、パット・ケイシーは「エックスゲームズ2022」の第1回「BMXメガパーク」に出場。オーストラリアを代表するライダー、ライアン・ウィリアムズに金メダルを奪われたものの、2位で表彰台にのぼった。こうした大会の合間に、パット・ケイシーは自身の子供たちにBMXの手ほどきをしていた。
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パット・ケイシーは29歳という若さにも関わらず素晴らしいキャリアを築き、さらに家庭を得て二人の子供の父親となっていた。
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パット・ケイシーがBMXを始めたきっかけは父親だった。父親がつくってくれたミニスロープでトレーニングに励み、わずか16歳でBMX界でプロデビューを飾った。
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プロデビューから2年後、パット・ケイシーは18歳という若さでマイホームを購入。折にふれて自宅の様子を動画で公開していた。
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さらに2年後の2013年、パット・ケイシーは恋人のチェイスと結婚、2人の子供にも恵まれた。
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なぜそんなに若いうちに結婚したのかたずねられるとケイシーは、「"大当たり"が目の前にあるのにそれをとりに行かない手はないでしょう」、と答えている。
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パット・ケイシーはつねに妻と子供たちに愛情を注ぎながら、伝説的なジャンプを披露して各国の大会でタイトルを獲得、さまざまなスポーツ誌の表紙を飾っていた。そして妻のチェイスが認めているように、なによりもまず良き父親であり、良き夫である偉大なアスリートだった。パット・ケイシーの偉大なる魂に冥福を祈る。