F1優勝を果たしたマックス・フェルスタッペン(26)、報酬の使い道とは
ベルギー出身の若きF1ドライバー、マックス・フェルスタッペンは3年連続でドライバーズタイトルを獲得している。その素晴らしいレーシングは見てのとおり、ところで報酬はどんなふうに使っているのだろう?
2022年に2度目のF1ドライバーズタイトルを獲得したフェルスタッペンは、所属するレッドブルからかなりの額を受け取った。『フォーブス』誌の推定によると、2022年の彼の収入は6,000万ドル(約87億円)だという。その内訳は4,000万ドルが基本報酬で、ボーナスが2,000万ドルとのこと。
その翌年、2023年シーズンもフェルスタッペンはかなりの収入を得ることになった。まず、年棒が5,500万ドル(約79億円)。
もちろんそれで終わりではない。レッド・ブルからの報酬に加え、レッド・ブルとは別個に結んだスポンサー契約からも大きな収入を得ているのだ。
フェルスタッペンのよく知られたスポンサーには、オランダに展開するスーパーマーケット・チェーン「JUMBO」や、ハイネケン、北欧の配信サービス会社「Viaplay」、スポーツゲーム専門のブランド「EAスポーツ」などがある。これらのスポンサー契約により、毎年数百万ドルという大金が彼の口座に振り込まれている。
2022年、フェルスタッペンはタイトル連覇を達成したのみならず、オランドのウェブサイト「Accountant.nl」によると、最も高収入のF1ドライバーというタイトルも獲得した。ところでそのタイトルはかつて、別のスーパースターによって占められていて……
ルイス・ハミルトンこそ、2013年から2021年にかけて最も高額の年棒を得ていたF1ドライバーだった。しかし2022年、ハミルトンは「わずか」5,500万ドルのサラリーしか得られず、年棒の面では第2位に甘んじたのだ。
「RacingNews365」によると、フェルスタッペンの2023年の推定年棒は5,500万ドルである。これを365で割ると、1日15万ドル(約2,170万円)の計算になる。
フェルスタッペンの純資産はしたがって順調に増えている。スポーツ関連のニュースサイト「スポーツキーダ」によると、その純資産は2023年11月時点でおよそ2億ドル(約290億円)というから、フェルスタッペンは控えめにみつもってもかなり自由の利く経済状況にあるといえる。
さて、これだけの給料をどうやって使ったものだろう? フェルスタッペンはそのありあまる資産を何に使っているのか、その一部を見てみよう。
フェルスタッペンははじめオランダに住んでいたが、最近モナコへ引っ越した。F1関連情報メディア「F1Max」によると、豪華なマンションを借りているという。正確な家賃は不明であるが、同じ通りに立つほぼ同条件の物件の家賃をみると、なんと1ヶ月1万6,000ユーロ(約93万円)だという。
フェルスタッペンの借りている家は、購入することも可能である。その場合の価格は1,600万ユーロ(約25億円)となっている。
フェルスタッペンがレンタルしているこの豪邸は、モナコの最高級住宅街として知られるフォンヴィエイユ地区に位置する。同地区はモナコの最も西に位置し、地中海の大パノラマを一望におさめる。
豪華な邸宅から歩いて行ける至近距離にヘリポートがあり、ニースの空港までほんのひとっ飛びである。車のコレクションについても自宅のすぐ近くに十分なスペースを確保している。
モナコに住んでいるF1ドライバーは多い。F1情報メディア「F1Max」によると、有名なモナコ・グランプリの開催地であるからだという。歴史あるモナコGPはこのスポーツにおいて特別な意味を持っており、グランプリの開催期間には世界中から注目が集まる。
写真:Victor He / Unsplash
しかし、フェルスタッペンがモナコを拠点に選んでいる理由は、それだけではない。モナコはタックス・ヘイブンとしても知られ、所得税と富裕税が免除されるのだ。多くのF1ドライバーにとって、それは大きな経済的メリットを意味する。
レッドブルのF1マシンは当然サーキット用だから、普段使いや趣味のために、フェルスタッペンはエキサイティングなマシンを何台も所有している。「motorsport.com」によると、彼のガレージにはアストンマーティン・DBSスーパーレッジェーラ、アストンマーティン・ヴァルキリー、フェラーリ・488ピスタ、フェラーリ・モンツァSP2、ホンダ・NSX、ポルシェ・911 GT2 RSが仲良く並んでいるという。
なかでも高価なのは、アストンマーティン・DBSスーパーレッジェーラの限定モデル。最高時速は340km/h。価格はおよそ40万ユーロ(約6,200万円)。製造台数はわずか50台という。
写真:Saschaporsche, CC BY-SA 4.0 / Wikimedia
さらに高価なのはフェラーリ・モンツァSP2で、こちらはシングルシーターのモンツァSP1と合わせて生産台数はわずか499台。価格は160万ユーロ(約2億4,800万円)。6.5リッターV型12気筒ガソリン自然吸気エンジンを搭載しており、0~100km/hの加速が2.9秒という驚くべき性能を誇る。
写真:Alexander Migl, CC BY-SA 4.0 / Wikimedia
フェルスタッペンはプライベートジェット「ファルコン 900EX」も日常的に使用している。この機体の維持管理には毎年かなりの費用がかかり、ライフスタイルサイト「menatwork.nl」によると、100万ユーロ(約1億5,500万円)と見積もられている。
写真:Arpingstone / Wikimedia
ニュースサイト「accountant.nl」が報じているように、現在26歳のフェルスタッペンは、オランダ『Quote』誌が毎年発表しているオランダ人富豪500人のリスト「Quote500」の最年少メンバーになっている。F1ドライバーとして輝かしいキャリアを築くフェルスタッペン、高価な買い物はまだ始まったばかりといえるだろう。