MLBニューヨーク・メッツと15年の大型契約を結んだフアン・ソト、その知られざる素顔とは
言うまでもなく、メジャーリーグ(MLB)のスケジュールはハードだ。レギュラーシーズン162試合に加え、スプリングトレーニングやポストシーズンがあるのだ。しかし、ソトは野球の合間にビデオゲームを楽しんでいるようだ。実際、2024年3月には『ニューヨーク・デイリーニューズ』紙に対し、次のように語っている:「いつも言っているけれど、何でもプレーする。ただ、どれもまあまあで、特定のゲームが得意というわけじゃないよ」
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もちろん、スポーツを題材としたゲームもお気に入りだ。たとえば、野球をテーマとした「MLB: The Show」やバスケットボールをテーマとした「NBA 2K」が好きだと語っている。
ファン・ソトにはきょうだいが2人いる。弟のエリアン・ソトはマイナーリーグのワシントン・ナショナルズでプレーする野球選手だ。ESPN放送によれば、エリアンは2023年1月に22万5,000ドルで同球団と契約したそうだ。もうひとりのきょうだいはナタリーという姉だ。
野球専門サイト「Baseball Reference」によれば、エリアン・ソトは野球選手として、兄ほど成功してはいない。フアン・ソトはマイナーリーグからデビューした当時から華々しい活躍を見せていたが、エリアンは2シーズンで打率0.178に留まっているのだ。
MLB広しと言えども、フアン・ソトほど優れた動体視力とバットコントロールを誇る選手はほとんどいない。その凄まじい集中力はドミニカ共和国で暮していた子供時代に培われたものらしい。MLBの公式サイトいわく、フアンの父親は息子のスキルを磨くため、ボトルのキャップや丸めた紙片を投げてトレーニングしたのだ。
ESPN放送によれば、フアン・ソトはデビュー当初、スイッチヒッターとして左右両打席に立っていたそうだ。しかし、最終的には左打者として「天性の才能」を発揮するようになったとのこと。
あらゆる方向めがけて、自由自在にヒットを量産するフアン・ソト。おのずと、どんなバットを使っているのか知りたくなるだろう。オールドヒッコリー・バット社のウェブサイトによれば、ソトが愛用するバットはAJ25だそうだ。ちなみに、型番に含まれる「25」という数字は、元MLBスター、アンドリュー・ジョーンズにちなんだものらしい。
このバットの特徴は中くらいの太さを持つヘッドと極細のグリップにあるとのこと。
ウェブサイト「northjersey.com」によれば、ソトの好物は故郷ドミニカ共和国の料理、「パステロン・デ・プラタノ・マドゥロ」だそうだ。これはつぶしたバナナと挽肉、チーズでつくるパイのようなものだ。
フアン・ソトの母、ベルキス・パチェコは料理の達人らしい。実際、ソトは前出のサイトで上で「母が作るものは何でも素晴らしい」と語っている。
いまや、投手たちにとって恐るべきバッターとなったソトだが、投手と対峙するときの心構えはスター選手になる前から変わっていない。実際、ESPN放送が2019年10月に行ったインタビューの中では、「投手とオレの勝負だよ。周りにいる人のことはひとまず忘れて、投手と自分のことだけ考えるのさ」とコメント。ちなみに、ソトが打席入りする際に見せる仕草は「ソト・シャッフル」と呼ばれ、ピッチャーをおののかせている。
ESPN放送いわく、「ソト・シャッフル」とは「腰をゆすったり、脚を広げたり、足を払ったり、肩をゆらしたり、唇をなめたりする」動作のことだ。ソト本人はタイミングをはかるための動作だとしているが、マウンド上の投手をひるませる意味があるのは言うまでもない。
ソトは自分がNBAの大ファンであると明かしたことがある。お気に入りのビデオゲームが「NBA 2K」なのも納得である。ちなみに、ひいきのチームはボストン・セルティックスらしい。
ソトはNBAへの情熱について語ったとき、セルティックス所属のアル・ホーフォードとジェイソン・テイタムのジャージを購入したことも明かしたのだ。
ニューヨーク・メッツに移籍した際のインタビューの中で、お気に入りのTVドラマについて尋ねられると、『プリズン・ブレイク』と『ブレイキング・バッド』だと答えたソト。バッターボックスでは冷静なソトも、画面の前ではハラハラするのがお好きなようだ。
同じインタビューの中ではお気に入りの映画についても質問がなされた。これに対し、ソトは「とくに思いつかないな。戦争映画が好きなので、『ローン・サバイバー』かな」と返答。ちなみに、『ローン・サバイバー』(2013年)とは、アフガニスタンで発生したネイビー・シールズの悲劇を題材とした作品だ。
初めてのビールを最高の瞬間に口にした男、フアン・ソト。2019年のワールドシリーズでは、当時ソトが所属していたワシントン・ナショナルズが優勝を果たしたが、このときソトは21歳になったばかりだったのだ。MLBのウェブサイトによれば、ソトは「チームメイトたちと一緒に、人生初のビールで優勝を祝うことができて最高です」とコメントしたそうだ。
ソトの誕生日は10月25日。しかし、MLBのプレーオフは通常10月初旬に始まる。つまり、ワシントン・ナショナルズがナショナルリーグ地区シリーズやナショナルリーグ・チャンピオンシップシリーズで優勝したとき、ソトはまだお酒を口にすることができなかったのだ。そのため、スパークリングウォーターで優勝を祝っていたとのこと。
ソトは27歳の若さにして、ワシントン・ナショナルズ、サンティエゴ・パドレス、ニューヨーク・ヤンキース、ニューヨーク・メッツという4つの球団を渡り歩いてきた。しかし、子供のころはボストン・レッドソックスのファンだったそうだ。
MLBの公式サイトによれば、ソトがレッドソックスのファンだったのは、マニー・ラミレスやデイヴィッド・オルティス、ペドロ・マルティネスといった同郷のスター選手がいたからだ。レッドソックスもドミニカ共和国つながりでソトの獲得を望んでいたというが、ニューヨーク・メッツが提示した契約金はケタが違った……