パリ・オリンピックの開会式:ダンサーらの組合によるスト予告が行われていた

パリ・オリンピックの開会式に問題発生?
出演者らがストを予告
不公平な取り扱いに抗議
パラリンピックの開会式でも決行を通告
何度も警告を伝えてきた
最大300人の出演者が劣悪な条件で雇われていると主張
大きな賃金格差を問題視
対話を求める
オリンピック側は正当性を主張
7月26日が迫る
華やかに開催された開会式
パリ・オリンピックの開会式に問題発生?

大規模イベントだけに、想定外の事態が起こりがちなのがオリンピックだ。今回も、開催間際になり、パリ・オリンピックの開会式を揺るがすようなニュースが入ってきていた。

出演者らがストを予告

7月26日に予定されていたパリ・オリンピックの開会式に対し、フランスの演技・演奏者組合(SFA-CGT)がストライキの決行を予告したのだ。

不公平な取り扱いに抗議

同組合は今回のストを、開会式のために雇われたアーティストの間に存在する「断じて許されないレベルの、いくつもの不公平な取り扱い」に対する抗議として実行するという。

パラリンピックの開会式でも決行を通告

仏紙『パリジャン』によると、組合は次のような声明を出したという:「誠に遺憾ながら、7月26日のオリンピック開会式および8月28日のパラリンピック開会式でのストライキ決行を予告いたします」

何度も警告を伝えてきた

このスト予告が通達されるまでに、組合は開会式のプロデュースを受け持った「Paname 24」に対して「業界慣行に従わない種々の契約行為」に関する警告を何度も伝えてきたのだという。

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最大300人の出演者が劣悪な条件で雇われていると主張

組合によると、開会式に出演する全3,000人の出演者のうち「およそ250から300人の非正規雇用のダンサーが劣悪な条件で雇われており、報酬の支払いもなく、著作隣接権の譲渡への対価も知らされていない」のだという。AFPが報じている。

大きな賃金格差を問題視

議論の中心となっているのは賃金格差で、SFA-CGTのメンバーはこう語っている:「これまで団体交渉から除外されていた開会式の出演者は60ユーロ(約1万円)程度なのに対して、その団体交渉の成果を受け取った正規雇用者は1,610ユーロ(約27万3,000円)ももらっている」

対話を求める

そのメンバーはこう続けている:「パリの外からやってきた出演者のうち支払いを受け滞在先が指定されたのはごく一部で、不安定な立場にあるそういった出演者の多くにはどちらも提供されていない。労働契約には何の違いもないのにだ」今回のスト予告の目的はつまり、「Paname 24」に対してこのような「250から300人の出演者」が置かれた状況を改善するための対話を開始させることにある。

オリンピック側は正当性を主張

オリンピック委員会側はAFPに次のように語った:「精査の結果、式を担当している『Paname 24』は関連法規や出演者らの属する業界の慣行に厳格に従っており、決定された手当ても業界の最低水準を上回っていたと確認された」

7月26日が迫る

最終的に24日(水)になり、SFA-CGTは公式声明を発表。五輪主催者からの提案を受けてアーティスト側の要求について部分的な勝利を挙げたとし、ストライキ通知を解除したことを明らかにした。

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華やかに開催された開会式

これを受けて開会式は予定通りに7月26日午後7時30分(現地時間)に開催された。3,000人ものダンサーやミュージシャン、役者らがセーヌ河岸に登場し、アウステルリッツ橋からエッフェル塔まで埋め尽くし圧倒的なパフォーマンスを展開した。スタジアム内ではなく野外で開催するという演出は史上初であり、まさに前代未聞のセレモニーとなった。関係者は胸をなでおろしたに違いない。

 

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